猫の身体に『ハゲ』ができてしまう5つの理由と対処法

猫の身体に『ハゲ』ができてしまう5つの理由と対処法

猫の身体にハゲができてしまう主な理由は、ひんぱんに掻いたり舐めたりして肌を刺激するからです。しかも毛がないことだけでなく、1度掻いたり舐めたりし始めるとなかなか止まらないのも飼い主さんの悩みの種。ハゲのできる場所からおよその原因とその対処法をご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.ノミダニ

足ではさまれノミ取りをされる猫

ノミダニが原因で毛が抜けやすいのは背中や首、しっぽの付け根など。通常は駆除剤の使用で治まりますが、アレルギーを起こすと根治が難しくなります。

またネコショウセンコウヒゼンダニが起こす猫疥癬は皮膚の下に寄生するので、特別な治療が必要です。

ノミダニは人にも他の猫にもうつりますので、治療と共に徹底した掃除が必須です。しかし予防をすれば大丈夫。

室内飼いの猫でも春から秋にかけて(ノミは室内ならいつでも生存可能なのでできれば1年中)、毎月1度の駆除剤使用で予防できます。

2.アレルギー

左脚で頭を掻くキジトラ

アレルギーの原因は食べ物や環境物質、ノミダニなどさまざまです。通常は目の上や耳の付け根辺りが赤くなったり痒みがでて、毛が薄くなっていき、消化管のアレルギーなどでは下痢など別の症状も出てきます。

治療はアレルゲンを取り除くしか方法がありません。まずは病院でアレルギーチェックを受けましょう。そこで原因が分かれば掃除や食餌療法でアレルゲンを避け、必要ならば薬を併用します。

3.好酸球性肉芽腫症候群

エリザベスカラーの灰色猫

原因不明の病気の一群で、血液検査で好酸球が多く検出されたり病変部に好酸球が多くみられるためこの名前があります。

この中で脱毛症状が出るのは、首やお腹や太ももなどにハゲや潰瘍ができる「好酸性プラーク」、後肢の後ろ側などにできる「線状肉芽腫」です。痒みが強く、ひどくなると全身に広がります。

血液検査と皮膚の検査で診断します。完治は難しいかもしれませんが、治療を続ければ痒みも治まり、元の姿を取り戻せます。

4.ストレス

左かかとを噛む白茶トラ

暇つぶしのような様子で同じ所を舐め続けるときはストレスが考えられます。

1番多いのはお腹のハゲ。ストレス源は同居猫や近所の工事現場の音など、決まったものはありません。

心当たりがあればそれを排除すればいいのですが、原因が分からないことも少なくありません。

しかし怒ったり舐めるのを無理に止めさせたりするのは逆効果です。十分遊んで猫の気分を他へそらしつつ、根気よく原因探しを続けましょう。

5.首輪

ピンクチェックの首輪と針山とハサミ

首周りの毛がぐるっとなくなっていれば首輪のせい。理由は、

  • 首輪がきつい
  • 重すぎる/硬すぎる
  • 汚れて雑菌が繁殖している
  • 素材アレルギーを起こした

などが考えられます。猫の首輪は軽くて柔らかめのものを。また時々首輪をチェックして、衛生的に保つことも大切です。

まとめ

目をつぶった丸っこい白い猫

痒みを伴わずに毛が抜ける病気もありますが、症状が酷くなるのはやはり痒みを伴うものです。ハゲていると飼い主さんの気持ちも落ち込みます。

しかし原因が分かるまで、あるいは病気が治る・コントロールできるまでに時間がかかってもめげないことです。

獣医さんとしっかり連携をとって、じっくり対処していきましょう。

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