猫が『毛球症』になる3つの原因とは?その症状と対処法を解説!

猫が『毛球症』になる3つの原因とは?その症状と対処法を解説!

皆さんは、「毛球症」という言葉を聞いたことはありますか?綺麗好きで、頻繁に毛繕いをする猫にとっては、切っても切り離せない症状です。飼い主さんは注意してあげたい症状の1つです。今回は、その原因や症状、対処法をまとめてみました。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.原因

毛繕いする猫

毛繕いのときに舐めて飲み込んでしまった毛は、通常、胃腸を通過して便と一緒に排出されます。

しかし、うまく通過出来ずに胃や腸の中に溜まってしまうと、毛玉の塊になります。

これが胃腸粘膜を刺激し、起こしてしまう症状を「毛球症」と呼びます。

それではこの毛球症はいったい何が原因なのでしょうか?

1.ストレスによる過剰な毛繕い

猫は、起きている時間の多くを毛繕いに費やすほど、綺麗好きな動物。

しかし、毛繕いには体を清潔に保つだけではなく他にも理由があります。

まず、猫はストレスを感じたとき、気持ちを落ち着けようと、過剰に毛繕いをします。

猫のザラザラとした舌に被毛が絡まり、飲み込んでしまうのです。

2.皮膚に異常がある

猫は皮膚に痛みや痒みがある場合、頻繁に毛繕いをするようになります。

ノミやアレルギーで痒みがある、または猫同士のケンカにより傷を負い痛みを感じている可能性があります。

3.胃腸の働きが弱い

猫が飲み込んだ被毛は、胃袋から腸管内に送り出され、腸管の蠕動運動により直腸まで運ばれます。そして便として排出されるのです。

しかし腸管の運動の働きが弱いと、被毛が上手く送り出されず、溜まってしまうのです。

2.症状は?

ぐったりする猫

主に、「嘔吐」「食欲不振」「便秘」「お腹が膨れる」などの症状が見られます。

猫の消化器官のどこに毛玉が溜まっているかにより、症状が変わってきます。

胃に溜まっている場合は食欲がなくなり、ひどい場合は体重の減少などが見られます。

十二指腸や小腸にまで達し、そこで止まってしまうと「腸閉塞」を起こしてしまう場合もあるため、注意が必要です。

3.対処法は?

診察される猫

まずは原因を見極めることが必要ですので、上記のような症状が見られたら、病院で診てもらいましょう。

ノミやアレルギーなどで皮膚に異常がある場合は、皮膚の治療から始めます。

便で排出されずに毛玉が体内に留まり続けている場合は、除去の治療を受ける必要があります。

胃に毛玉が溜まっている場合は、大きさによって内視鏡または開腹手術を行うことになります。胃を通り過ぎて腸に詰まり、いっこうに流れる様子がない場合は開腹手術が必要です。

ストレス性の場合は、猫がストレスを感じる元を取り除いてあげましょう。

引っ越しや模様替えなどの環境の変化、騒音、来客など、日常の中に原因は潜んでいます。

猫が落ち着いて過ごせる環境を整えてあげましょう。

まとめ

猫の被毛を持つ人

いかがでしたか?

猫にとって「毛繕い」は日課であり、止めさせることはできません。しかし、回数を減らしてあげることはできます。

飼い主さんは、猫がストレスを抱えないよう心がけ、体のチェックもこまめに行いましょう。

また、被毛の飲み込む量を減らすには、日々のブラッシングが効果的です。

特に長毛種は短毛種の2~3倍の量を飲み込んでしまいます。

毛球症の予防に繋がりますので、念入りにブラッシングをしてあげましょう。

愛猫が健康でいるためにも、ぜひ参考にしてみて下さいね!

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