猫の『偏食』が引き起こす危険トラブル3つ!今すぐできる改善策とは?

猫の『偏食』が引き起こす危険トラブル3つ!今すぐできる改善策とは?

猫の偏食が、思わぬトラブルにつながることがあります。今回は猫の偏食の主な原因や、偏食すると困ること、改善方法について詳しく紹介いたします。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫は偏食になりやすい!?その理由とは

食に迷う猫

猫は偏食になりやすい動物です。

猫の場合は、今まで食べていたものを急に食べなくなってしまうことがあります。その主な理由をいくつか紹介いたします。

変化を好まない

猫は毒物を避けるために、嗅ぎ慣れない匂いのする食べものを警戒します。この本能が強い猫は、食の変化を好みません。

この性質を「ネオフォビア」といいます。ネオフォビアの猫は、急にフードを変更してしまうと食べなくなってしまいます。

飽きっぽい

特定のフードに強いこだわりを持つ猫がいる一方で、逆に飽きっぽい猫もいます。警戒心よりも、食への好奇心が勝るのです。

この性質を「ネオフィリック」といいます。ネオフィリックの猫は目新しいものを好むため、同じフードを食べ続けることができません。

匂いや食感が気に食わない

猫の食事は、味ではなく匂いを楽しむものです。というのも猫の味覚は特殊で、意外と味音痴なところがあります。

出てきたばかりのフードは香りが豊かなのに対して、時間が経ってしまったフードは風味が劣ります。
繊細な猫は、匂いや食感に違和感を覚えると食べなくなることがあります。

偏食になると困ること

困る猫

キャットフードは猫に必要な栄養素がバランスよく含まれています。仮に偏食になっても、それほど困ることはないのでは?と思う方も多いかもしれません。

ところが、思わぬところで偏食によるトラブルが発生します。

ここでは、偏食によって困ることを3つ紹介いたします。

1.フードが販売停止になる可能性

稀ではありますが、気に入って食べていたフードが販売停止になることも考えられます。完全に製造を終えてしまえば、もうそのフードを食べることができなくなってしまいます。

2.療法食への切り替えに苦労する

療法食による食事療法が必要になった場合、これまで食べていたものから処方に応じたフードに切り替えなければなりません。

偏食気味の猫は、この過程で苦労することになります。

3.震災時の食事に困る

震災時は、いつものご飯が食べられなくなる可能性が高いでしょう。すぐに購入できるものや、支給されたもので対応していかなければなりません。

急な環境の変化で食べられなくなる猫も多いですが、偏食があることでより食べられなくなってしまうかもしれません。

食べない状態が3日以上続くと、肝臓にダメージが及びます。偏食が命の危機を招く恐れがあるのです。

偏食は改善できるの?

勉強する猫

猫の偏食は、ある程度改善することができます。少し時間はかかるかもしれませんが、焦らずに取り組むことが大切です。

ここからは、偏食を改善する方法を紹介いたします。

置き餌をやめる

置き餌をすると風味や鮮度がなくなってしまいます。ある程度時間を決めて、その都度新鮮なフードを食べさせましょう。

定期的に出してあげられない場合は、自動給餌器の使用も検討してみてください。

ブレンドやローテーションをする

飽きっぽい性質の猫であれば、ブレンドやローテーションをしてみると良いでしょう。毎日少しずつ異なるご飯を食べることで、飽きることを防ぎます。

似たもの同士を混ぜる

こだわりが強い猫の場合は、味や形状が似たご飯を少し混ぜてみてください。あくまでもベースはお気に入りのフードで、そこに少しだけ他のフードをトッピングします。(総合栄養食同士にする)

子猫の頃から色んな味に慣れさせる

子猫の頃から色んな味に触れさせることで、偏食を予防する方法があります。これから子猫を迎える方は、様々なメーカーや味を試してみてください。

これは子猫に限ったことでは無いですが、時々ウエットフードを混ぜるようにしましょう。高齢になって、ドライフードが食べられなくなったときに役立ちます。

病気の見極めも重要!

猫のお医者さん

偏食だと思っていたら、実は病気だったということもあります。元気がない、下痢や嘔吐が続いているなど、明らかに異変があれば診察を受けましょう。

まとめ

餌を見上げる猫

猫が偏食をしてしまう背景には、様々な要因がありました。

愛猫が偏食気味だと感じたら、その理由を探ることが第1歩です。放置してしまうと、意外な場面で問題に直面することがあります。

そして、愛猫に合った対処法を実行していきましょう。

少しでも改善が見られたら褒めてあげてください。「いい子だね」は最高の褒め言葉だと猫も理解しています。

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