1.口内病へのスタートになる危険性
口の中の違和感のために歯ぎしりをしている可能性があります。
付着した歯垢が歯石になると違和感を感じるようになります。
自然界に存在しているものを食べていたときは歯にカスが付いても残ることはほとんどありませんでした。ネズミなど全身を食べる時に皮や骨に歯が触れ、カスが取り除かれていたためです。
しかし、現在の食べ物は噛む力があまり必要ないように製造され、食べかすも口の中に残りやすくなっています。
ウエットフードのみならず、デンタルケアに特化しているドライフードであっても歯垢はできやすいようです。
2.歯周病の悪化
口の中のトラブルを放置しておくと歯周病になってしまい、痛みから歯ぎしりをしてしまっている危険性があります。
歯周病になると歯肉が赤く腫れる、食べにくそうにしているか食欲不振、歯茎が化膿して口臭が出てくるなど他の症状を伴います。
よだれを垂らしたり、歯がグラグラしてくることもあります。
歯周病の細菌が腫れた歯肉から容易に血管内に侵入し全身に運ばれてしまうこともあります。血管内に入った細菌は免疫力で死滅しますが、細菌の持つ毒素(内毒素)は体内に残り他の臓器に重大な問題を起こす原因にもなります。
予防策
常日頃から歯磨きをする事が大切です。
歯垢から4日ほどで歯石になってしまいます。
歯石になるとなかなか除去することが難しいので、歯石を普段から作らないようにすると良いでしょう。
子猫時代から口の中に歯ブラシを入れる習慣を作ると、猫への負担も少なくなります。
大きくなっていても歯茎が腫れていなければ遅くはありませんので、歯ブラシを始めましょう。
その他、歯ブラシが出来ない猫には歯磨き粉を歯に塗布するだけでも効果がありますので、手で塗ってあげましょう。デンタル剤を飲み水に入れる方法もあります。
歯石を見つけた時は?
歯石になってしまうと、こすってもとれないのでスケーリングを行わないとダメです。
病院での除去手術は全身麻酔になります。しかし、必要な場合は先生と相談して猫の体調と体力を第一に行ってください。
抜歯などの手術
歯周病が悪化して歯までグラグラしている時は抜歯も考えましょう。
猫は丸飲みすることが多いのですが、中にはしっかり噛んで食べる猫もいます。噛まなかったとしてもグラグラしている歯に何かが当たると出血したり痛みを感じます。
歯茎が膿み、全身に悪影響を及ぼし始めている場合は「抜歯」を行う方が良いでしょう。先生と相談して良い方法を選択してください。
まとめ
猫の『歯ぎしり』は危険!絶対放置しちゃダメな理由2つと対処法についてお伝えいたしました。
猫は口で全身を舐め、尿や便も舌で綺麗に絡めとって片付けています。そのために口の中は雑菌が多いとも言われています。
そして猫の病気の中でも、歯周病は上位を占めています。
歯ぎしりなど、普段の猫と様子が違う場合はすぐに病院を受診してくださいね。