排泄時の行動に潜む不調のサイン
猫は言葉で不調を訴えることができません。その代わり、さり気ない行動を通して気持ちを伝えてくれます。
トイレにまつわる行動からも、小さなSOSが見えてきます。ここでは、不調のサインとして見られる行動を3つ紹介いたします。
1.粗相をする
猫は基本的に、トイレ以外の場所で排泄することはありません。つまり、粗相をすること自体が不自然なのです。
粗相をしてしまう理由の中で、特に気をつけてほしいのは膀胱炎や尿路結石の影響です。これらの疾患は痛みを伴います。
トイレで排尿した際に痛い思いをすることで「トイレは痛くなる場所」と認識してしまうことがあります。そうすると、トイレで排泄することに強い不安を抱いてしまうのです。
トイレそのものに問題がない場合や、後に紹介するような行動が重なる場合は泌尿器系の病気を疑いましょう。
2.何度もトイレに行くのに出ない
膀胱炎では、痛みの他にも残尿感という不快な症状が現れます。尿意はあるのに出ない、若しくは微量の尿を繰り返すことになります。
何度もトイレに行く仕草が見られたら、排尿の様子を確認してみてください。
丸1日満足に尿が出ない場合は、次の日に診察を受けるようにしましょう。
3.唸る・悲鳴のような声を出す
排尿や排便中に、今まで聞いたことのないような声を発している場合は、痛みを訴えているサインです。
少し離れた場所から見守り、トイレから出てきたら排泄物のチェックをしましょう。先程のようにほとんど出ていない、血便や血尿があるなどの異変があれば、動物病院を受診しましょう。
ちなみに猫には月経がありません。血液が混ざった尿は全て血尿になります。
排泄物そのものにも注目してみて!
行動の違和感の他にも、排泄物そのものにも注目してみてください。次に紹介する排泄物は、一見すると健康の証だと誤解しやすいものになります。
ドッサリと大量の便が出る
1度にドッサリと便が出ていたら、誰もが健康的だと思うでしょう。ところが、猫の場合は少し事情が異なります。
猫の便は、1回あたりの量がそれほど多くないことが特徴です。平均的には2~3回に分けて排泄されます。
量が多くなる原因として、添加物でかさ増しされたフードを食べている可能性が挙げられます。もしくはそのごはんが猫さんに合っておらずうまく吸収できないのかもしれません。
排便の回数がいつも以上に増える場合もあるので注意しましょう。そういった場合は、フードを見直してみると良いかもしれません。
黒い便には気をつけて
食生活に変化がないのにも関わらず、黒っぽい便が出ていたら気をつけましょう。血便の可能性があります。
血便というと赤みがかった色を想像するかもしれませんが、必ずしも赤い血が混ざるとは限りません。
胃や十二指腸などの上部消化管や小腸に出血がある場合は、便として排出される頃には鮮血ではなくなります。よって、タール便やメレナと呼ばれる黒い便が出るのです。
多飲多尿にも注意して
やたら水を飲み、排尿も多くなる。たくさん飲んでたくさん出ているのなら健康なのでは?と思うかもしれませんが、大きな誤解です。
多飲多尿は主に腎臓病に多い症状です。猫は腎臓系の病気になりやすい動物なので、この小さなサインは見逃せません。
少し様子を見て、行動に変化がなければ診察を受けてみてください。
まとめ
今回は不調のサインとして多く見られるトイレ中の行動と、要注意な排泄物の特徴を紹介させていただきました。
どれも些細なことですが、猫からの大切なメッセージです。たとえ困り行動のように見えてしまっても、叱ることは控えてください。
尿は1日、便は3日出なくなってしまったら危険信号です。元気そうに見えても獣医さんに相談してみてください。