猫が人間に『好影響』を与えること5つ

猫が人間に『好影響』を与えること5つ

猫を飼っていて幸せ!という飼い主さんはたくさんいるでしょう。たいへんなときや困らされることもあるけれど、それをカバーして有り余るほどのものを与えてくれるというのが、大半の飼い主さんの認識ではないでしょうか?一体猫は、どれだけの好影響を人に与えてくれているかを見ていきましょう。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

1.触れ合うことでメリットが!

ナデナデ

なんと猫と触れ合うことでメリットがあることが、科学的にわかってきています。まずはリラックス効果。猫に触れているときの人の脳波を測ると、リラックスしている時の波形が現れるそうです。

ぬいぐるみでも同じような効果が得られるようですが、やはり本物の猫の方がリラックスできるそう。また「幸せホルモン」とも呼ばれるオキシトシンも、猫を撫でたり猫と遊んだりすると多く分泌されるそうで、幸福感を覚えるのはもちろん、自律神経の働きが整い、免疫力の向上とストレスの減少も期待できるそうです。

猫と触れ合うだけでこのような効果があるのですから驚きです。猫が人間に与える好影響は絶大だとわかります。もちろんこれらの良い効果は、猫アレルギーがなく猫が苦手ではない人に対しての効果となります。

【獣医師の補足】

猫と人間の関係について研究している日本の研究者がいらっしゃいます。ホームページで実験の協力者を募集していることもありますので、興味のある方は一度のぞいてみてはいかがでしょうか?
http://nekorandum.info/

獣医師:木下明紀子

2.ゴロゴロ音の効果

ゴロゴロ言ってそうな猫

猫が幸せそうな顔をして鳴らす「ゴロゴロ音」。これも人に好影響を与えるといいます。ゴロゴロ音の周波数は約25〜150ヘルツ。これは、痛みやこりを和らげたりマッサージや疲労回復のためなどに用いられる低周波治療器が発する周波数と大体同じです。そして、猫のゴロゴロ音も炎症や痛みを抑えたり骨折が治るのを早める効果があると言われているそうです。

精神的にも猫のゴロゴロ音は人に良い効果を与えているそうで、ゴロゴロ音を聞いた人は心拍数が減り、リラックスしていると考えられるという研究結果も発表されています。確かに寝るときに愛猫が近くでゴロゴロいっているといつの間にか眠りに落ちているので、そのような効果があると私も思えます。

猫をナデナデするとたいていゴロゴロ言ってくれますので、お互いが気分よくなれる最強の時間になるのではないでしょうか。

【獣医師の補足】

実際に猫のゴロゴロ音によって低周波治療器と同じような治療効果が測定されたデータはありませんが、昔から猫科動物の骨折の治りは他の動物より早いと言われています。骨折が治るのを早めたり治った骨が丈夫になるのに25~200ヘルツという低周波電流が有効であること、猫のゴロゴロ音がそれと同じ周波数であることはそれぞれ論文で報告されています。
Chen, L. P., Han, Z. B., & Yang, X. Z. (1994). Zhonghua wai ke za zhi [Chinese journal of surgery], 32(4), 217–219.
Elizabeth von Muggenthaler , "The felid purr: A healing mechanism?", The Journal of the Acoustical Society of America 110, 2666-2666 (2001)
https://doi.org/10.1121/1.4777098

獣医師:木下明紀子

3.子供にも好影響

猫を抱っこする子供

猫がいると子供に好影響があると考えられます。猫と一緒に生活したりお世話をすることによって、思いやりの気持ちや責任感が持てるようになるからです。

猫という自分よりも小さな動物にいたわりの気持ちを感じ、感情をコントロールしたり優しく触れ合ったりできるようになるでしょう。世話をしなければいけないという責任感も生まれるでしょう。

実際にはほとんど保護者の方がお世話するにしても、そのお手伝いをすることで良い影響が生まれるはずです。

これにはもちろん、大人が猫をちゃんと飼うことと子供に猫への正しい接し方、お世話の仕方を教えることが必要です。

 

4.障がいによる問題が改善

一緒に本を読む2人

猫と一緒にすごし、障がいによる問題が改善したという話を聞いたことがあります。自閉症スペクトラム症の子供が猫と一緒に過ごし、その症状が改善したというものです。

子供たちは、気持ちが落ち着いたり問題となる行動が減ったりしたのだとか。

猫と触れ合うと他者に対する思いやりや関心が生まれ、より社会性が持てるようになるのです。

【獣医師の補足】

アメリカで行われた実験で、自閉症スペクトラム症(ASD)と診断された子供がいる家庭が保護猫を迎え、上記のような結果が得られたとの論文が報告されています。まだ少数例による実験段階ではあるそうですが、猫と暮らすことがASDを持つ子供とその家族に対して良い影響を与える可能性が指摘されています。Chen, L. P., Han, Z. B., & Yang, X. Z. (1994). Zhonghua wai ke za zhi [Chinese journal of surgery], 32(4), 217–219.
Carlisle, G. K., Johnson, R. A., Wang, Z., Bibbo, J., Cheak-Zamora, N., & Lyons, L. A. (2021). Exploratory Study of Cat Adoption in Families of Children with Autism: Impact on Children's Social Skills and Anxiety. Journal of pediatric nursing, 58, 28–35.
https://doi.org/10.1016/j.pedn.2020.11.011

獣医師:木下明紀子

5.やる気や責任感が生まれる

顔を近づける2人

例えば高齢者や病気、ペットロスなどの人が猫を飼うと、「この猫をお世話していかなければ!」という責任感が生まれるでしょう。それが生きる気力につながり、希望となっていくことがあります。

生き生きと生きられるようになるのも、猫が与える好影響と言ってよいのではないでしょうか?高齢者は猫などのペットを飼うべきではない、という意見もあるようですが、飼える環境が整っているのであれば、猫のお世話が生きがいになるという点は間違いないでしょう。

その人自身で猫を飼わなくても、アニマル・アシステッド・アクティビティ(動物介在活動、AAA)などによって施設で暮らしているお年寄りが猫と触れ合うことでも効果が認められるそうです。

まとめ

メルちゃん

猫が人に与えてくれる好影響はご紹介した以外にもまだまだあります。ありすぎて書ききれないくらいです。猫の飼い主さんならば、ご実感があるでしょう。

人に大きな幸せを与えてくれる猫。もっともっとたいせつにしていきたいですね!

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