猫はなぜ音に敏感なの?
猫はハンターとして生きるために聴覚が発達しています。その能力は人間の約10倍といわれ、特に高音域の聞き取りに長けています。
耳が良い分、人間との共同生活では思わぬ生活音に驚いてしまうことがあるのです。
猫が不快に思う生活音
猫が音に敏感な理由は分かりましたが、具体的にどのような生活音が苦手なのでしょうか?その例をいくつか紹介したします。
1.インターホン
生活に欠かせないインターホンですが、猫にとっては恐怖でしかありません。
「ピンポーン」という音や、その音を聞いた飼い主さんが慌ただしく動く様子になかなか馴染むことができないのでしょう。
とはいえ、インターホンを撤去するわけにはいかないので、せめて音が鳴ったときに避難している場所は塞がないように気をつけましょう。
狭い場所に入り込む癖があれば、こまめにしてあげてください。
2.掃除機
掃除機も天敵のような存在です。姿を見るだけで逃げ出す子もいるのではないでしょうか?
さすがに掃除をしないわけにはいかないので、安心して隠れられる場所に身を置いてもらうしかありません。
ただしインターホンと異なるのは、前もって予告できることです。「掃除するよ」と一言伝えてから掃除機をかけると良いでしょう。
毎日繰り返すことで、合図として認識されます。心の準備につながるというわけです。
3.くしゃみや破裂音
くしゃみや風船が割れる音など、突発的に生じる音も猫には苦痛です。心臓がとびでそうなほど驚いてしまうのでしょう。
音に対して特に敏感になっている猫と暮らすご家庭では、風船やクラッカーなどの使用は控えたほうが良いかもしれません。
くしゃみは生理現象なので止めようがありません。
大きな音を立ててしまったら「ごめんね」「びっくりしたね」と猫の気持ちを察して謝るようにしましょう。
4.雷
ゴロゴロという雷鳴も、猫にはとても大きな音として認識されます。だから雷が苦手な猫が多いのです。
音に驚いた拍子に家を飛び出してしまう可能性があるので、雷が鳴り始めたら戸締りの確認をしてください。
できる限り自然に振る舞うことで安心できるようですが、雷が苦手な飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
ここでもやはり、安心して隠れられる場所に隠れてもらうことが1番です。
ただし、雷の場合は強い不安を伴うものなので、そばで見守るようにしてあげましょう。
5.低い声
猫が苦手な音は、必ずしも大きな音だけではありません。低い声も苦手な傾向にあります。
その理由は、低い声が猫の威嚇に似ているからです。笑顔で「可愛いね」「いい子だね」と褒めていても、低すぎる声では威嚇されていると誤解されてしまいます。
男性よりも女性のほうが猫受けが良い理由も、声の高さが関係しています。
猫と接する際は、少し高めの声で優しく話しかけるように心がけましょう。
音によるストレスを防ぐには?
ある程度の生活音は仕方ありませんが、少しでも負担を減らしてあげたいですよね。
そこで音によるストレスを和らげる方法をいくつか紹介いたします。
安全基地を確保する
先の項目でも度々登場した「安心して隠れられる場所」を確保するだけでも負担の軽減につながります。
例えば、キャットタワーや棚の空いたスペースなどが猫にとっては落ち着く環境になります。
いざという場面に備えて、愛猫のお気に入りの場所にはいつでも入れるようにしておきましょう。
故意に苦手な音を鳴らさない
破裂音や大きな声、猫だましのような手拍子は控えるようにしてください。
この小さな配慮が、猫にとってはありがたいことなのです。
まとめ
猫は五感の中で聴覚が最も優れています。ちょっとした物音でも「ビクッ」とするのも納得できますね。
狩りをするためには欠かせないスキルですが、家猫として生きるには苦痛を伴うことがあるようです。
音に対して過剰に心配することはありませんが、愛猫が苦手とする音の中で控えられる部分は気遣ってあげてください。