猫の分離不安症とは?
猫の分離不安症とは、母のように慕う飼い主さんがいなくなることを過度に恐れ、精神的に不安定になってしまう状態です。
強い不安から、様々な問題行動や体調不良を起こしてしまいます。
かつては犬に多いといわれていましたが、最近では依存度の高い猫が増えたことにより、猫にも見られるようになりました。
分離不安症になりやすい猫の特徴
分離不安症になりやすい「依存度の高い猫」とはどのような猫なのでしょうか?その特徴を挙げてみます。
- ストーカー気質がある(どこでも付いてくる)
- ひとりっ子(1頭飼育)
- 子猫気分が強い甘えっ子
- 常に誰かがそばに居る環境など
分離不安症の初期症状
分離不安症は、初期段階の症状とされる行動に早く気づくことが大切です。ここでは、分離不安症につながるかもしれない行動を4つ紹介いたします。
1.姿が見えなくなると大声で鳴く
猫は物静かなイメージがありますが、寂しがり屋の猫はよく鳴きます。少し席を外しただけなのに「どこ行ったの?」と大騒ぎです。
飼い主さんの姿が見えると落ち着くことが多いでしょう。赤ちゃんのようで可愛いですが、将来的に分離不安症が心配になる行動です。
2.後をついてまわる
分離不安症の猫はどこでもついて歩きます。トイレやお風呂にも一緒に入りたがって、扉を閉めれば大騒ぎです。
後追いする猫全てが分離不安症ではありませんが、一緒に入れない場所に出くわすと騒ぎ出すのは分離不安の特徴です。
3.部屋を荒らす
ティッシュを全て引き出して散らかしたり、小物を落として歩いたりと部屋を荒らすことがあります。
留守にする度に部屋を荒らすようであれば、分離不安の症状とみてよいでしょう。
誤飲や怪我の元にもなるので、ケアとは別に荒らされそうなものを片付けるようにしてください。
4.粗相や体調不良を繰り返す
原因不明の体調不良や粗相も、不安の症状として挙げられます。度々嘔吐や下痢をする、食欲がなくなるなどの症状があれば注意しましょう。
過剰なグルーミングや暴れ回るなどの自傷行為が現れることもあります。
さらに粗相を繰り返すこともあります。ただし、これらの症状や行動には病気が潜んでいることもあるので早合点は危険です。
分離不安症のケア
愛猫に分離不安の兆候が見られる、もしくは強く疑われる場合は適切なケアが必要です。
具体的にできるケアを紹介いたします。
獣医さんに相談する
対処に悩んだら1人で悩まずに、かかりつけの獣医さんに相談しましょう。
診察の結果、分離不安症と診断された場合にも適切なケアについて一緒に考えてくれます。
特に身体的な症状が強い場合は、1度診察を受けるようにしてください。
ひとりで過ごす時間を作る
日頃から愛猫をひとりにする時間を作ることも大切です。
退屈しないようにキャットタワーを設置したり、誤飲の危険性の少ないおもちゃを預けておきます。
ひとりで過ごす訓練は、治療と予防の両方の効果を持ちます。
一緒に遊ぶ時間帯を決めておく
単に突き放すだけでは解決したことにはなりません。心を安定させる意味でも、必ず一緒に過ごす時間を作りましょう。
その際に、ある程度時間帯を決めておくことがポイントです。
例えば帰宅後に5分だけ遊ぶなど、シンプルなもので構いません。猫は元々飽きっぽいので、数分程度付き合ってもらえれば安心します。
この方法も、ケアとしても将来的な予防策としても役立ちます。
特定の原因があれば改善する
留守番中に怖い思いをしたケースでは、分離不安症になったきっかけがはっきりしています。
この場合、原因の除去や環境の改善により不安を軽くすることが可能です。
まとめ
幼い頃から人と暮らす猫は子猫気分が残りやすく、飼い主さんに甘える機会が多くなります。
とても可愛らしい特徴である反面、分離不安症になりやすい特徴にもなってしまいます。甘えっ子な猫と暮らす飼い主さんは、意識的に予防するように心がけてください。
日頃から適度な距離感を作り、ひとりで過ごす時間と一緒に遊ぶ時間にメリハリを持たせることが予防につながります。
既に分離不安症になってしまった場合でも、根気強くケアをしてあげましょう。