猫の飼い主を悩ませる『異食症』とは?その原因6つと対処法

猫の飼い主を悩ませる『異食症』とは?その原因6つと対処法

飼い主さんをハラハラさせる「異食症」。これには様々な原因があります。今回は猫の「異食症」の原因や対処法について、詳しくご紹介いたします。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の「異食症」の原因

噛む猫

ビニールや紐、ダンボールなど、本来食べ物ではないものを食べてしまう異食症。猫の異食症はなぜ起きてしまうのでしょうか?

ここでは猫の異食症に多い原因を6つご紹介いたします。

1.食事量が少ない

猫の食事

子猫や若い成猫はアクティブに室内を走り回ります。運動量が多いのに対して食事量が少ないと、あっという間にお腹がすいてしまいます。

空腹を紛らわせるために異食をしてしまうことがあるのです。さらに栄養が足りていない場合でも、異食症を引き起こすことがあります。

フードのパッケージに記載している目安量は少なめに設定されているので、運動量が多いうちは少し増やしても良いかもしれません。

肥満が気になるようであれば、獣医さんに相談しながら検討してみてください。

2.獲物を食べているだけ

猫の狩り

猫には狩猟本能があります。家猫にとっての遊びは、まさに狩りなのです。よって狩りをしている気分から、獲物に見立てたものを食べてしまうことがあります。

例えば、ダンボールをむしる仕草には鳥の羽をむしり取るという意味合いが込められている場合があります。疑似体験をする中で、口に入ったものをそのまま食べてしまうことがあります。

3.寂しいから

待つ猫

猫は孤独に強いといわれていますが、これには個体差があります。特に母子分離が早く、幼い頃から人と暮らしている猫は飼い主さんへの依存度が高くなります。

「留守番の寂しさを食べることで満たしたい」という気持ちから異食につながってしまうことがあるようです。

4.ストレスを抱えている

隠れる猫

猫も人知れずストレスを抱えていることがあります。猫は人のように愚痴を言えず、ストレス発散のレパートリーもそう多くはありません。

そのような中で偶然、食べ物ではないものを噛んだり舐めたりしていたら妙に落ち着いたという体験から異食に発展してしまうことがあります。

ストレスが原因の場合は原因を探り、前向きに改善していかなければ異食を止めることができません。

5.寄生虫や病気が潜んでいることも

聴診を受ける猫

猫のお腹の中には寄生虫が棲みついていることがあります。この場合は栄養分を奪われてしまい、不快感に襲われ異食をしてしまうことがあるのです。

また、内臓の疾患が原因で異食が起こることもあります。これは、痛みや痒みなどの煩わしさを解消するためです。

6.遺伝によるもの

シャム猫

猫の異食症の中に「ウールサッキング」というものがあります。これは、ブランケットを噛む癖から食べてしまうというものです。

ウールサッキングはどの猫にも起こり得る現象ですが、一部遺伝的に起こりやすい猫種があります。

それは、バーミーズやシャム猫などの東洋系の猫達です。明確な理由は明らかになっていませんが、東洋系の猫は繊維質なものを好む傾向があるので、その特徴が関与している可能性があります。またウールサッキングは人に小さな頃から育てられた子にもよく見られます。

どう改善すればいいの?

猫と少年

愛猫が異食症になってしまったら、どのように改善していけば良いのでしょうか?ここからは、対処法をいくつかご紹介いたします。

獣医さんに相談する

猫の通院

獣医さんは、異食症についても豊富な知識や経験を持っています。病気や寄生虫が背景にあることもあるため、まずは獣医さんに相談してみると良いでしょう。

遊ぶ時間を作る

遊んでもらう猫

なかなか構ってもらえないストレスや、寂しさが原因であれば、遊ぶ時間を積極的に作ってあげてください。

猫は短時間で満足できるので、1日に数分程度で構いません。おもちゃで狩りごっこをしてもらい、その後にご飯タイムを設けるのも良いでしょう。

獲物を食べる楽しみを食事で補うことで、よりご飯を美味しいものと感じてくれるようになります。食事の満足度も上がり、異食を卒業することができるでしょう。

異食に繋がりそうなものを片付ける

猫のコレクション

異食のリスクがある場合は、予め異食につながりそうなものの管理に気を配りましょう。全面的に禁止するのではなく、留守中は片付けるように徹底すると誤飲を防ぐことができます。

まとめ

リラックスする猫

猫の異食症は飼い主さんを悩ませる、いわば問題行動のひとつです。しかし、背景を見ても分かるように叱るだけでは改善できない問題です。

頭ごなしに叱らずに、まずは原因について考えてみてください。はっきりとした原因が分からない、もしくは病気が疑わしい場合は獣医さんの力を借りましょう。

異食症は原因が分れば対処することができます。

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