猫が衰弱する要因
猫が衰弱してしまう要因を、いくつか挙げてみます。
老衰
15歳以上の後期高齢期になると、猫も徐々に衰弱してしまいます。これは自然な老衰なので、防ぐことはできません。
穏やかに過ごせるように見守り、身のまわりのお世話をしてあげましょう。
怪我
完全室内飼育でも、思わぬアクシデントがあります。打ち身や関節トラブルがあることに気づかずにいると、衰弱してしまうことがあります。高齢になると骨粗しょう症が起こる場合もあり、些細なことで骨折してしまうことも考えられます。
歩き方に違和感がある、体に触れられることを極端に拒むなどの異変があれば、動物病院を受診してください。
病気
猫に多い疾患は、腎臓病・尿路結石・肝臓病・感染症などです。その他にも、アレルギーや皮膚疾患にかかることがあります。
基本的には人間と似たような病気をしてしまうのですが、猫の場合は不調を隠すという特徴があります。
狭い場所に隠れて出てこない、じっと耐えているような仕草が続くようであれば、体調不良を疑いましょう。
怪我のときと同様に、異変があれば早めに診察を受けてください。
衰弱したときに現れる症状
猫が衰弱してしまうと、次のような症状が現れます。
1.遊ばない
遊び盛りの子猫や、好奇心旺盛な若い猫は、1日の中で活発になる時間帯があります。遊ぶことが自然なのです。
体調不良などで弱ってしまうと、遊ばなくなってしまいます。年齢が若いのにも関わらず、ぱったりと遊ばなくなるのは不自然な現象です。
2.ぐったりしている
猫は元々のんびりしていますが、元気なときはぐったりしてはいないでしょう。うずくまって動かない、呼びかけに対する反応も乏しいようであれば要注意です。
3.食事や水を摂取できない
猫は体調が優れないと、食事を取らず水も飲まなくなります。猫は3日以上絶食すると、肝機能が悪化する可能性があります。
環境の変化やフードの変更など、食べなくなる要因がなければ早めに診察を受けましょう。
水を飲まないことも危険です。深刻な脱水を起こす前に、病院でケアを受けましょう。
4.トイレに行かない
尿は丸1日、便は3日以上出なければ危険信号です。膀胱炎や尿路結石では、何度もトイレに行っては少量しか出ないを繰り返すことが初期症状です。
痛みから唸り声や悲鳴のような声を出すこともあります。
5.何度も吐く
猫は毛繕いの過程で被毛を飲み込んでしまうので、嘔吐自体は珍しい症状ではありません。ただし一過性の嘔吐では、何事も無かったかのように元気になります。
一方、病気や誤飲に伴う嘔吐ではぐったりして衰弱していきます。何度も吐いてしまうこともあり、脱水を起こす可能性も考えられます。
衰弱してしまったら…やってほしいこと
猫に何らかの原因で衰弱が見られたら、動物病院へ連れていきましょう。対処は原因によって異なりますので、原因別の対処をしてください。
- 無理に水は飲まさない(嘔吐誤嚥の危険あり)
- 熱中症であれば脇の下と鼠径部を冷やす
- 低体温であればタオルで包む
- お湯を入れたペットボトルを抱かせる
対処がわからない場合は病院にすぐ連れて行くか、ひとまず動物病院に連絡して指示を仰いでください。
高齢猫の看取りを考える
衰弱の中でも老衰の場合、自然に任せて静かに見送ってあげたいと思う方もいらっしゃるでしょう。愛猫の老化が進んできたら、ご家族と最期の過ごし方について話し合う機会を作りましょう。
自然に任せる場合でも、してあげられることはたくさんあります。例をご紹介いたします。
- 床ずれ防止のための寝返り介助
- 巻き爪防止のための爪切り
- 被毛を整える(血行促進効果あり)
- 口のまわりを湿らせるなど
自然に任せることは放置することではありませんので、できる限り快適に苦痛なく過ごすことができるようにしてあげましょう。
まとめ
衰弱にも様々な原因があります。猫は本能的に不調を隠してしまうため、日頃からよく様子をみてあげてください。
いつもそばで接している飼い主さんの勘は重要です。異変があれば、迷わず診察を受けましょう。
後期高齢猫の場合は、最期まで心地よく過ごせるようにケアをしてあげてください。