猫の一生にかかる費用
かつては4~5年しか生きられなかった猫の平均寿命が、東京都福祉保健局による令和1年の調査では15.03歳まで伸びました。
家族に迎えた猫が現代の平均寿命まで生きたと仮定して、一生涯にかかる費用はどのくらいになるのでしょうか?
フード費用・医療費・その他の生活費を合計すると、平均で45.09万円~135.27万円になります。これは1匹にかかる費用です。猫家族が2匹であれば、この2倍かかることになります。
さらに健康状態によっては、これ以上に費用がかかることも念頭に置かなければなりません。
猫にかかる月々の生活費
猫1匹と生活を共にする場合、月々にかかる費用を東京都福祉保健局のデータを元に解説いたします。
食費
食費(総合栄養食)は833円~2,500円が平均です。ドライフードはウエットフードに比べて安価ですが、メーカーや材料によって幅があります。
持病の関係で、療法食による食事療法を必要とするケースでは、ここで紹介した平均よりも高額になります。
日用品
猫の主な日用品は、猫砂やトイレシート、被毛や爪のケア用品が挙げられます。これらにかかる費用の平均は、833円~2,500円です。
医療費
医療費に関しては一概には言えませんが、平均では833円〜2,500円が最も多く、次いで4,167円〜8,333円が多い結果になっています。
動物病院のお世話になることの多い疾患としては、腎臓病や皮膚疾患、泌尿器系の疾患が特徴として挙げられます。
毎月ではないけれど必要な費用
毎月ではないものの、健康寿命を伸ばす意味で重要な費用について解説いたします。
ワクチン(年に1回)
1歳以上の成猫の場合、年に1回はワクチン接種を受けることが推奨されています。完全室内飼育の猫は3種混合ワクチンが一般的です。
費用は3,000円〜5,000程度が目安になります。病院によって異なるので、かかりつけの病院に問い合わせてみてください。
不妊手術
将来的に繁殖を望まない場合、オス猫であれば前立腺の病気を、メス猫であれば乳がん予防する意味で不妊手術が勧められます。費用はオス猫とメス猫で少々異なります。
オス猫は手術費用が10,000~20,000円、1泊入院するのであれば入院費が2,000~5,000円、術前検査と術後診察料が5,000~10,000円程度かかります。
メス猫は手術費用が15,000~30,000円とオス猫よりも高くなります。その他術前検査が4,000~10,000円、開腹手術の場合は1泊入院になるので、入院費が2,000~5,000円かかります。
猫に必要な日々のお世話について
猫のお世話で最も重要なのはトイレ掃除です。猫は綺麗好きなのでしつけ自体は楽ですが、掃除を怠ると我慢や粗相の原因になってしまいます。
次に適度に構ってあげることです。猫も人と遊ぶことに喜びを感じます。1日に数分程度で構わないので、一緒に遊んであげましょう。
その他に食事や水の用意、被毛のケアや室内の掃除などが加わります。朝は猫と暮らす前よりも1時間程度は早起きをしなければならないかもしれません。
まとめ
猫の生涯に必要な費用と、その内訳を月単位で紹介させていただきました。もちろん猫を迎えるということは、この他に初期費用が発生します。
猫は癒されますし、一緒にいると幸せです。でも、実際には金銭的な面で大変なことが多いのも事実です。
そして猫には命があり、心があります。時には猫を優先する覚悟を持って生活しなければなりません。時間をかけて愛してあげることが大切です。
それでも猫と暮らす理由は、単に余裕があるからだけではないでしょう。自分の食費や生活費を切り詰めてでも、一緒にいたいと思える魅力を秘めているのが猫なのです。