1.毛球症
猫は頻繁に体をなめて毛づくろいをします。
体を清潔にする、気持ちを落ち着かせるためなどの目的があるのですが、毛づくろいをすると抜け毛も飲み込んでしまいます。
飲み込んだ毛がうんちと一緒に排出されずに胃の中で大きな塊(毛球)になってしまうことで、胃腸の働きが悪くなり嘔吐や食欲不振、下痢などの症状が出るのが「毛球症」です。
毛球を吐き出し元気も食欲もあれば良いのですが、吐く頻度が増えてきたら動物病院を受診しましょう。
毛球を排泄しやすくするためのサプリメントや毛球症になりにくくする専用のフードなどを使って対処します。
胃の中でできた毛球が小腸へと運ばれて詰まってしまうと、お腹を開けて取り除く手術が必要になります。
毛球症の予防のためにブラッシングを行って飲み込む毛の量を減らしてあげましょう。ストレスが原因で過剰に毛づくろいをしていないかもチェックしてみましょう。
2.腎臓病
体内の毒素は腎臓で濾され尿と一緒に排泄されますが、腎臓が悪くなるとそれができなくなってしまいます。すると毒素が血液中に残り、気持ち悪さから吐いてしまいます。
急性腎臓病は突然ぐったりする、嘔吐、おしっこをしないなどの症状があらわれます。腎臓に正常に血液が流れない、結石でおしっこが出ない、細菌感染、ユリを口にしたなどの原因が考えられます。
早く治療を開始できれば回復も早いですが命にかかわることもあります。慢性腎臓病は徐々に腎臓の機能が落ちます。水をたくさん飲む、食欲が落ちる、嘔吐が多くなるなどの症状があります。
原因ははっきりと分かっておらず、壊れた腎臓の機能は元に戻らないため、進行を遅らせるような食事療法や薬の投与が行われます。
猫は腎臓の病気にかかりやすいです。定期的な健康診断や、いつもと違うと感じたときに動物病院を受診するなど早期発見をすることが大切です。
3.腸閉塞
腸管がふさがったり、狭まってしまったりして、腸の内容物が肛門まで移動できなくなってしまう病気です。
フードを食べても、水を飲んでもすべて吐き出してしまいます。命に関わるケースもある病気です。
腸閉塞は腫瘍など他の病気が原因の場合や、異物を飲み込んでしまったことや毛球症が原因の場合があります。
嘔吐の回数が増えたと感じたら、動物病院を受診しましょう。
おもちゃなど異物を飲み込んでしまった場合は、お腹を開けて手術で取り除きます。
猫が異物を飲み込んだことがわかっている場合は、誤飲から30分以内に動物病院を受診すれば吐かせる処置や内視鏡で取れる可能性があります。
異物を食べてしまう猫は、癖で再び誤飲してしまうことが多いので、物の管理に注意が必要です。
ここであげたのは一部であり、他にも嘔吐が症状の病気はたくさんあります。
まとめ
猫は吐きやすい生き物ですが、病気が原因で嘔吐している場合もあります。
ブラッシング、誤飲を防ぐために物の管理を徹底する、定期検診を受けさせるなどが、猫が嘔吐する病気の予防や早期発見となります。
吐く回数が増えたり、吐いた後に食欲がなかったり、いつもと違うと感じたら動物病院を受診しましょう。