1.短毛タイプ
スタンダードは短毛だった
猫の祖先リビアヤマネコも短く真っ直ぐな毛であるように、猫のスタンダードは短毛でした。
リビアヤマネコは砂漠地帯や岩石地域にルーツがあり、暑い気候には長毛より短毛の方が適しています。
短毛種は猫本来の気質であり、長毛種に比べて野性味が強く残っていると言われています。
また、短毛種はさまざまな遺伝子が複雑に混ざっているため長毛種よりも病気に強いと言われています。
短毛種のケア方法
短毛種の場合、通常のブラッシングは最低週に1回以上行ってあげましょう。春と秋頃に訪れる換毛期には毎日ブラッシングして抜け毛をしっかり除去しましょう。
使用するブラシはピンの短いピンブラシ、ラバーブラシ、艶出しには獣毛ブラシがおすすめです。
短毛種にはピンが短く柔らかいものを選ぶと、ブラッシングによる痛みや不快感を与えにくいでしょう。
2.長毛タイプ
突然変異で生まれ寒い地域に適応していった
もともと短毛がスタンダードであったところ、突然変異で長毛種が生まれました。
豊かな被毛によって寒さにも適応することができたため、長毛種は寒い地域で増えていきました。
長毛種には身体が大きい品種もいますが、ワイルドな短毛種と比べるとおっとりした性格の子が多い傾向があります。
長毛種は暑さに弱いため、夏の室温湿度管理に気をつけてあげましょう。
長毛種のケア方法
長くて豊かな被毛は絡まりやすいため、毎日のブラッシングが望ましいです。
丁寧なブラッシング習慣によって抜け毛を適切に除去し、体に熱がこもらないようにしてあげましょう。また、被毛が豊かであるため抜け毛の除去によって皮膚の蒸れも予防しましょう。
使うブラシはピンの長いピンブラシ、目の粗いコーム、換毛期には抜け毛を除去しやすいスリッカーブラシの使用がおすすめです。
長毛種の豊かな被毛を下層までしっかりブラッシングできるよう、硬いピンのコームを選ぶと良いでしょう。
3.巻毛タイプ
くしゅふわカールな被毛も突然変異で誕生
1980年代のアメリカで突然変異によってカールした被毛の猫、その名も「ラパーマ」が誕生しました。
ラパーマのほか、現在ではセルカーレックスとデボンレックスのあわせて3種が巻毛タイプの猫種として品種が確立されています。
被毛の長さは長毛・中毛・短毛とさまざまで、同じ種の兄弟でも被毛の長さが異なることもあります。
巻毛タイプのケア方法
柔らかくカールした被毛はとても絡まりやすく、抜け毛が引っかかって残留しやすいという特徴があります。
ブラッシングによって被毛のもつれや抜け毛を取り除く必要があるものの、ブラッシングしすぎるとせっかくのカールがとれてしまう恐れがあります。
巻毛タイプのお手入れには力加減が重要で、基本的には獣毛ブラシでソフトにブラッシングを行います。毛の絡まりが気になるときだけピンブラシやスリッカーブラシで優しくもつれをほどきましょう。
巻毛タイプは他のタイプより皮脂の分泌が多い傾向があるため、皮膚病を予防するために月に1回程度シャンプーをするのが理想的です。
4.無毛タイプ
ヒゲもない種・産毛は生えている種とユニークなタイプ
無毛タイプで代表的なのは「スフィンクス」です。
スフィンクスは無毛タイプでヒゲも生えていないのですが、実は身体には桃のような産毛が生えているのです。個体によっては手足の先に少し被毛があるものもいます。
被毛がほぼなく皮膚はシワシワ、そのミステリアスすぎる見た目とは裏腹に、スフィンクスはとっても人間が大好きで好奇心も旺盛!「犬のような猫」とも言われています。
無毛タイプも突然変異で生まれた個体から繁殖が始まり、現在ではドンスコイ、ピーターボールド、バンビーノなど9種の無毛タイプが存在しています。
無毛タイプのケア方法
無毛タイプは寒さに弱いため、冬場は防寒対策を行ってあげましょう。
皮膚を傷つけやすいため、爪切りも月に2回は行いたいです。被毛がほぼないため皮膚が汚れやすいため、毎日蒸しタオルなどで身体を拭いてあげましょう。
スフィンクスは身体にシワがあるため、シワを伸ばして溝に溜まった汚れまで拭いてあげることが大切です。
まとめ
犬に比べると品種が少なく感じる猫ですが、被毛の4種類を見てみるとそれぞれ個性豊かであることがわかります。
くるくるふわふわの巻毛タイプもユニークですが、なんといっても無毛タイプのミステリアスさにはとっても惹かれます。
被毛の特徴によって日々のお手入れが異なりますので、愛猫の皮膚や被毛の健康を守るために被毛に合わせたケアを行ってあげたいですね。