猫が太ってしまう3大要素
猫が肥満になってしまうのには、いくつか要因があります。しかも、残念ながら私たち人間が絡んでいることもあるようです。
1.猫は常に省エネモード
肉食動物である猫は、極端にいえば狩りに全力を注いでいます。だから、狩りの時間以外は極力動かない省エネモードで生活しているのです。
家猫になった現代の猫たちも、その生活スタイルは変わりません。変化があるとしたら、食べたいときに食べられる環境です。
運動量が極端に少ないのにも関わらず、食事量は増えてしまう。これは肥満街道を突き進んでいるといえるでしょう。
2.おやつの食べすぎ
猫はとてもおねだり上手です。ご飯だけではなくおやつまで、つい食べさせたくなってしまいます。
ただでさえ運動不足に陥りがちなのに、間食する癖までついてしまうのは危険です。
おやつはあくまで特別な日のご褒美程度に留めたほうが良いでしょう。
3.避妊手術の体の変化
避妊手術には、猫を病気から守るメリットがあります。
しかし、その一方で太りやすくなるというデメリットも存在します。理由はホルモンバランスの変化です。
手術から回復した後も、これまでと同様の生活を続けていると肥満になる可能性が増してしまいます。
術後対応のフードへの切り替えや、間食を減らすなどの対策を積極的にしてください。
肥満による弊害
体重が増加すると、動くことが面倒になります。でも食べる楽しみは変えられません。これが悪循環となり、痩せることから遠ざかってしまいます。
肥満は万病の元です。猫も糖尿病や腎臓病、心臓疾患などの病気を患う可能性があります。
さらに体がスムーズに動かず、毛繕いが困難になると皮膚病を発症することもあります。
肥満を簡単に見極める方法
猫の肥満は「ボディ・コンディション・スコア(BCS)」という指標で誰でも簡単にチェックすることができます。
BCS1:痩せている
脂肪が少なく、外見からも肋骨が浮き出て見えます。
腰のくびれも顕著で、脇腹のヒダもありません。いわゆるゴツゴツとした体型です。
BCS2:体重不足
1に比べると肉付きが良い印象になりますが、痩せ気味の体型です。
肋骨は浮き出ていないものの、触れればはっきりと認識することができます。
BCS3:理想体型
皮下脂肪を通して肋骨に触れることができます。
わき腹にも本来あるヒダがあり、理想の体型です。くびれも確認することができます。
BCS4:体重過剰
外見は丸みを帯びた印象です。くびれはなく、わき腹のヒダは脂肪で垂れ下がっています。
肋骨にも触れることができません。要注意な体型です。
BCS5:肥満
わき腹のヒダが歩く度に揺れるようになります。
腹部のみならず、顔や四肢にも脂肪が着いて丸くなります。明らかな肥満体型です。
安全なダイエット方法
ダイエットを検討するタイミングは、肋骨や背骨に触れられなくなったときです。まずは獣医さんの診察を受け、アドバイスをもらいましょう。
猫のダイエットは慎重に行わなければなりません。猫の1kgは人間の10kg程度に相当します。過度で急激なダイエットは命に関わるのです。
そこで比較的安全な方法を紹介いたします。
食事療法
獣医さんの診断を元に、肥満対応のフードへと切り替えます。状況次第では、療法食になることもあります。
既存のフードに少しずつ混ぜ、徐々に新たなフードの割合を増やしていくと切り替えやすいでしょう。
積極的に遊ばせる
飼い主さんがリードして、積極的に遊ばせましょう。大事なのは継続することです。
猫は夕方になると活発になるので、狙うなら夕方以降です。
猫は短期集中型なので、1日15分程度を目標に頑張りましょう。猫じゃらしで狩りの真似事をしたり、転がすとフードが出てくるおもちゃなどを活用してみてください。
まとめ
肥満は猫の健康寿命を縮めてしまいます。その要素の大部分は人間にあることを自覚し、まずは愛猫を太らせない努力をしましょう。
それでも肥満になることはあります。BCSを参考に、怪しいなと感じたら獣医さんに相談してみましょう。
安全にダイエットを行うためにも、獣医さんとの連携は大切です。猫らしい生活を維持できるように、根気強くダイエットに励んでください。