1.体力の発散
現代の猫は「運動不足」になりやすい
完全室内飼育が基本となった現在、安心安全な暮らしと引き換えに「愛猫の運動不足」の問題が浮上してきました。
猫は「寝子」という語源という説もあるほど、睡眠時間がとても長い動物です。深く寝ている時間は人間より短いものの、1日の大半をウトウトしたり横になったりしてくつろいでいます。それはなぜかというと「狩りで全力を出すため」です。
肉食動物である猫は狩りに成功しなければ食事にありつけないため、狩りの体力を温存するために長い時間くつろぎます。しかし飼育されている現在の猫は、狩りをしなくても飼い主さんにごはんを出してもらえます。それはとても幸せなことですが「狩りのために温存した体力」を発散する機会がありません。
「狩り」をイメージした遊びで体力を発散させる
本当の狩りをすることがない愛猫のために、飼い主さんが愛猫と遊ぶ時間をしっかり設けて愛猫の体力を発散させてあげる必要があります。
運動の時間が足りないと、愛猫は有り余る体力を発散させるために全力疾走をすると考えられます。全力で追いかけたり、ジャンプしたり、捉えたりするなど、愛猫の「狩り」をイメージしてしっかり遊びの時間を設けてあげると良いでしょう。
2.トイレハイ
うんち前後に猛ダッシュ!
うんちの前後に突然走り出すことは「トイレハイ」と呼ばれています。おしっこの前後よりも、うんちの前後にハイになりやすいということが特徴です。
猫が「トイレハイ」を起こす理由として
- 排泄の緊張状態
- 副交感神経と交感神経の切り替わり
- トイレが落ち着かない
などが考えられています。
緊張からの解放説
排泄は非常に無防備になる時間なので、野生の本能によって排泄中は緊張状態になることが考えられます。
排泄後にその緊張を発散するために走り出すことや、その場から早く離れることで身を守りたいという理由が考えられます。
自律神経の切り替わり説
人間の場合、排便中には身体をリラックスさせる「副交感神経」が優位に働き、排便後には身体を活動的にする「交感神経」に切り替わるとされています。このことが猫にも当てはまるとしたら、排便後に交感神経へと切り替わったことによる「ハイ」が起こるという可能性もあります。
トイレへの不満説
一方で、「トイレの環境に安心できていたらトイレハイを起こさない」という意見もあります。猫がそのトイレに何らかの不満があると安心して排泄できないため「すぐにここから立ち去りたい」という気持ちになり、ダッシュで飛び出すという可能性もあります。
トイレの環境について見直してみると、猫が落ち着いて排泄できるようになるかもしれません。
まとめ
猫が全力でダッシュすると、もはや残像しか見えないくらい猛スピードになりますよね。
猫の大運動会は「突然始まって突然終わる」ことが特徴で、走る目的もよく分からないので謎の行動に感じます。
「他の猫と追いかけっこする」というような目的が見られない場合、愛猫の突然の猛ダッシュは「体力を発散するため」と「トイレハイ」の2つの理由が考えられます。
毎日の運動量やトイレの環境を見直すと、猛ダッシュのお悩みが軽減するかもしれません。
とはいえ、愛猫の大運動会を完全に無くすことは難しいため、愛猫が猛ダッシュしても安全なように、家具家電の固定や片付けの徹底などをしておくことも大切です。