1.緑内障
緑内障は眼圧を一定に保っている眼房水がうまくなんらかの原因で流れることができず、眼圧が上がってしまう病気です。
原因
原因として遺伝的なものから腫瘍、原因不明なもの、そしてどこかにぶつかったり猫同士の喧嘩など外傷などがあげられます。他にも他の目の病気から二次的に引き起こされる場合もあります。
特に猫には特有の感染症がありますので、その症状の一つが目に現れてくることが多くあります。そこが原因で二次的に緑内障を引き起こしてしまう場合も多くみられます。
主症状
- 痛みで目をシバシバさせる
- ものにぶつかる
- 白目の部分が充血している
- 眼が大きく見える
などの症状が出始めると、緑内障の疑いありです。
対処
治療は基本的には点眼薬です。眼圧を下げるようなお薬を使いますが、中には飲み薬が出る場合があります。しかし、猫の状態によっては手術になる場合もあります。また痛みで目をこすりすぎるようなら、カラーを巻いて目を保護します。
予防
予防をすることは非常に難しいですが、少しの変化をみのがさないことが重要です。例えば、いつもより涙が多い、食欲がない、元気がない、目やにが多いなど猫の出しているサインをしっかり受け止めましょう。
また中には猫風邪が原因になってしまうこともありますので、猫風邪予防はまず予防接種です。しかしヘルペスなどは、1度かかると生涯身体に菌が残ります。
2.腫瘍
腫瘍の発生を避けることはできませんが、猫白血病や猫エイズを持っている猫は、がんになりやすいことが分かっています。
原因
腫瘍細胞はもとは普通の細胞で、健康な身体でも常に一定数ががん化してそれを免疫細胞が抑えているといわれています。しかしそのバランスが壊れたとき、腫瘍細胞が増えて腫瘍、つまりがんとなるのです。ここでは、鼻と目の腫瘍にしぼってお話します。
主症状
最初は鼻炎や結膜炎などの症状と同じで、鼻水がでたり涙が出て目ヤニや涙焼けを起こす程度です。目の腫瘍の場合は、虹彩といって目の色が変わってくることもありますし、場合によっては鼻水に血が混じることもあるようです。
あとは出来た場所、腫瘍の種類によって症状は違ってきます。例えば、鼻の腫瘍が大きくなると目を圧迫して涙がふえたり、顔が変わってきてしまったりしますし、眼にできた腫瘍は、2次的に緑内障を引き起こしたり、眼が見えなくなってしまったりする場合があります。
対処
がんであると診断がつけば、抗がん剤を使用します。場合によって、例えば目にできた腫瘍の場合は眼球全体をとりのぞいたり外科的な処置が可能であればそちらも選択肢の一つとなります。
また放射線もオプションの一つになりますが、放射線はどの施設にもあるものではないので注意しましょう。
予防
リンパ腫などにかかっている猫は、猫白血病や猫エイズにかかっている場合があります。もちろんすべてではないですし、正直がんの予防は難しいですが、この2つの感染症の予防ならある程度可能です。
- 猫を外に出さないこと
- 猫白血病や猫エイズの猫と接触させないこと
- 発症した猫、キャリア、かかっているか不明の猫(野良猫など)を撫でたら、その手で他の猫を触らないこと(手を洗うこと)
そして不幸にもかかってしまった猫(キャリア)には、可能な限りストレスフリーな生活を送らせてあげましょう。
まとめ
眼の病気はわかりやすい反面、診断が難しい場合もあります。気づいた時にはすでに…といったこともまれではありません。
緑内障や腫瘍ほど危険な病気でなくても、早めの治療が効果的。少しでも涙や目をこする様子が気になったときには、早めの対応を心がけましょう。