1.前庭性失調症症候群
耳の奥にある「前庭」という神経があります。体のバランスや平衡感覚をとる重要な役割を果たしている部分です。ここに異常が起きることで平衡感覚がおかしくなり、ゆらゆらと揺れてしまいます。
他にも同じ場所をずっと回ったり頭を傾けたり、黒目が同じ方向に動いてしまう眼振という症状が出ることも。かかりやすい猫種はシャム猫といわれていますがすべての猫種で起こりますし年齢や性別を問わず発症する可能性があります。
前庭性失調症症候群は突然発症する病気です。愛猫がゆらゆらしていたら、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
2.脳の異常
脳に異常がある場合、ゆらゆら揺れてしまうことがあります。脳炎や髄膜炎などが考えられますので、早急に動物病院へ行きましょう。脳や髄膜に炎症が起こっている状態です。
ふらふらする症状の他に、麻痺や反射の低下、元気がなくなる、食欲不振などが見られます。原因は細菌やウイルス感染など。これといった予防法は残念ながらありません。
3.内臓の病気
心臓病や肝臓病、腎臓病などによりふらふらとする場合があります。猫の場合「肥大型心筋症」が多い傾向が。心臓の筋肉が肥大してしまい、正常に働かなくなってしまう病気です。
肝臓は異常を起こし機能が低下したとしても何も症状が出ないことがあります。その為、明確な症状が出た時にはかなり病状が進行している場合も。注意が必要です。
腎臓病は15歳以上の猫の8割がかかっているといわれています。一度腎臓の機能が失われてしまうと回復しない為、定期的な健康診断で早期発見に努めましょう。
4.尿毒症
腎臓の機能が低下したり尿路閉塞などにより体の中の毒素が排出されず、毒素が全身に巡り中毒症状をおこす病気です。すぐに治療しないと命に関わります。
慢性腎臓病や尿路結石がある猫は尿毒症になりやすいので、特に気をつけなければいけません。ふらふらする、食欲低下、嘔吐や下痢などの症状が出たら、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
5.熱中症
熱中症によりゆらゆらと揺れることがあります。夏はもちろん、冬でも暖房のかけすぎによりなってしまうことがありますので、注意が必要です。室温に気を配り、猫が快適に過ごせるようにしてあげましょう。
元気がなく、口呼吸をしていたら危険です。症状が進むと体温が高いことで臓器が損傷し、命に関わる場合があります。熱中症にかかりやすい時期は猫の様子を常に観察し、異常がないかを確認しましょう。
まとめ
愛猫の体の異常には、飼い主さんが気がついてあげるしかありません。特に猫は具合が悪くてもそれを悟られないように、いつも通りに行動する動物です。異常が出た時にはかなり悪くなっている場合もありますので、十分注意してあげてください。