猫の『しっぽが固くなる』ときの原因3つ

猫の『しっぽが固くなる』ときの原因3つ

猫の「しっぽ」はとても繊細で、表現力も豊かです。猫にとってしっぽの役割は大変重要で、しっぽが自由に動かせないと運動能力に支障をきたします。それでは見てみましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.骨軟骨形成異常

折れ耳のスコティッシュ

関節と関節の間にある「軟骨」が骨のように硬くなり、動きに支障が出てきてしまうのが「骨軟骨形成異常」という遺伝性の病気です。しっぽがかたくなってしまった場合、この病気を疑うのが一番でしょう。

症状としては、しっぽが短く変形します。その他にも肢の関節がゴツゴツと変形し痛みから歩行が困難になったり、しっぽを動かさなくなったり、猫の様子に違和感を感じるようになるでしょう。

痛みや違和感から高い所へジャンプをしなくなるなど、元気な行動が見られなくなります。

スコティッシュフォールドの折れ耳はこの病気が原因です。しかし折れ耳ではない立った耳のスコティッシュフォールドも遺伝子を持っている可能性がありますので、注意は必要です。

いずれの場合でも、少しでもおかしな様子が見られる時は、すぐに病院を受診しましょう。

2.馬尾症候群

のびた尻尾の横に座る猫

犬に比べると少ないですが、猫にも発症する「馬尾症候群」でしっぽが固くなることがあります。

脊椎にはトンネルのような穴がありその中に脊髄が通っています。脊髄は神経が多数集まり太い束になっています。7つある腰椎の5〜6番目から脊髄は徐々に細くなっていき、、太い神経の束から馬のしっぽのように細い脊髄神経が広がっていきます。この広がっていく神経を「馬尾神経」と呼び、主に腰やしっぽのあたりに分布します。

何らかの理由で馬尾神経が圧迫されたり、障害を受けると尻尾をあまり動かさない、座るのが遅い、トイレなど排泄が困難になるなどの症状が出ます。

3.骨折

ドアに入る猫

骨折の原因は様々です。ドアにしっぽを挟んでしまったり、どこかに引っ掛けてしまう、人間に踏まれるなど、日々の暮らしには猫にとって危険がいっぱい潜んでいます。

猫は骨折をしていても痛がらないので、人間が気が付かないことも多いようです。骨がくっついて固まってしまった後に違和感を感じ、受診して発覚する場合もあります。

猫のしっぽの動きに注意をして、ドアにはストッパーを付けるようにして、骨折の危険を防ぎましょう。

まとめ

尻尾の立派なシャム猫

猫の『しっぽが固くなる』ときの原因3つについてお伝えいたしました。

猫はしっぽを触られるのを嫌がるようにとても大切な身体の部分です。防げる事故はなるべく回避できるように、今一度猫の環境を見直したいですね。

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