外猫の過酷な環境と災難について
家のない猫たちを取り巻く環境は過酷です。ここでは、外猫が襲われやすい災難を4つご紹介いたします。
1.車に関する事故
外猫は、車にまつわる事故に遭いやすい特徴があります。
最も多いのは交通事故です。猫は咄嗟に止まれず、クラクションの音やライトの眩しさに驚いてフリーズしてしまうことが多いからです。
さらに暖を取る目的で、停車中の車のボンネットに侵入してしまうことがあります。
猫がいるとは知らずにエンジンをかけてしまった結果、最悪の結末になることがあります。そこで、出発前の「猫バンバン」が推奨されています。
車のエンジンをかける前に車を軽くたたいて音を立てて隠れている猫を追い払いましょう。見える範囲で構いませんので、できるだけ確認することも大切です。
2.自然災害の被害に遭う
猫は野生の本能が強いので、比較的安全な場所を住処にしています。ただし、豪雨や台風が直撃してしまうと逃げ場をなくしてしまうことがあります。
3.病気や怪我で命を落としてしまう
外猫は、体調を崩してしまっても病院に行くことができません。じっと身を潜めて耐えるしかないのです。
そのため、飼い主さんがいれば助かるはずだった病気や怪我でも、命を落としてしまうことがあるのです。
4.虐待に遭う可能性も
世の中の人全てが猫好きではありません。ボランティアさんの手によりお世話をされている「地域猫」でも、猫に深い関心がなければただの野良猫と見なされてしまいます。
とても残念なことですが、虐待に遭う可能性も否定できません。
地域猫とはどんな猫?
外での生活が長い野良猫は、優しい里親さんに出会えたとしても家庭に馴染むことが困難なケースがあります。
そこで賛否両論はあるものの、一度捕獲して避妊手術をし、再び元の場所へもどす「TNR」という活動が行われています。
TNRを受け、ボランティアさんのお世話を受けている猫は地域猫と呼ばれます。手術を受けた証しとして、耳にV字のカットがあります。
耳のカットは全身麻酔中に施されるので、体への負担はありません。耳の形が桜の花びらに似ていることから「さくら猫」とも呼ばれています。
家猫は野外では生きられない
家庭で過ごす猫、中でも純血種の猫は、野外では生き延びることができません。
先に紹介した災難の他にも、縄張りの問題や猫種による性質上、命に関わることが多いのです。
家猫は飼い主さんが頼りです。混血・純血に関係なく、家族に迎えた猫は最期を迎えるその時まで大切に育ててください。
まとめ
外で生活せざるを得ない猫たちは、悠々自適な暮らしなど送れていません。常に危険と隣り合わせで、安心してくつろげる空間などないのです。
また、家庭しか知らない猫は過酷な外の環境に適応することはほぼ不可能です。
いかなる事情があっても、外に放して飼育放棄をすることはやってはいけないことです。最期まで責任をもって小さな命と向き合ってください。