猫同士の上下関係のリアル
猫同士の上下関係は、とても薄ぼんやりとした曖昧なものです。優位にある猫が絶対的な権力を握っているわけではなく、劣位にある猫も必ず従うという姿勢は見せていないことがほとんどでしょう。
猫にとって重要なのは、互いの関係性というよりも「縄張り」を守ることです。付かず離れずの距離を保つことで、縄張りを荒らさないようにしています。
多頭飼育における上下関係
多頭飼育をしていると、どことなく偉ぶった態度をとる猫と遠慮がちな猫に分かれていませんか?これも、背景には縄張りの独占件のようなものが絡んでいます。
曖昧な上下関係を元に、優位にある猫が優先して好きな場所を取ってしまうというような状況です。
一方で、優位な猫が寝ている間は、遠慮がちな猫が自由過ごしていても咎められることはありません。直に縄張りを取ろうとしない限りは、大きな揉め事には発展しないのです。
猫の上下関係を見分ける方法
家庭内に何となく存在する猫同士の上下関係は、次のようなポイントを押さえることで見分けることができます。その方法を5つご紹介いたします。
1.優位な猫は常に堂々としている
先ほどの「偉ぶった猫」のように、優位な猫はいつも堂々としています。いわばボス的な猫がソファを占領していたら、他の猫たちはさり気なく他の場所へと移動します。
ちなみに、優位な猫は必ず年長の猫とは限りません。
2.追う側と追われる側に別れる
目が合った途端、ドタバタと運動会が始まることがあるでしょう。大抵は優位な猫が先に追いかけ回します。
ただし、これは遊びのような感覚で、本気で相手を追い詰めているわけではありません。
3.劣位の猫は目線を逸らす
キリッとした表情で睨みを利かせるのは、優位な立場の猫です。これに対して劣位にある猫は、目線を逸らします。猫は無駄な争いを避けるために、売られたケンカには応じないのです。
強い猫は無言の圧力をかけ、遠慮してしまう猫は目線を逸らしたまま、そっとその場を立ち去ります。
4.攻撃を受ける猫は同じ猫が多い
猫はよくケンカごっこをします。あくまでも「ごっこ」なので、もちろん本気ではありません。ただし、猫パンチを食らう猫は大体同じ猫になります。それが立場の弱い猫です。
5.劣位にある猫はオドオドしている
常に堂々としている優位の猫とは対照的に、立場の弱い猫はオドオドした態度をとっています。優位な猫が強く、近寄り難い雰囲気を出している場合、部屋を移動するだけでも慎重になってしまうことがあります。
猫たちの微妙な関係に気づいたら…
劣位の立場にある猫が、優位な猫を負かせることはそう滅多にできないことです。飼い主さんとしては、どのような対応をするのが良いのでしょうか?
基本的には中立な立場を保ちましょう。優劣といっても、本気でケンカしたり、限界まで追い詰めることはほぼありません。逆に飼い主さんが入ることで、状況が悪化する可能性があります。
とはいえ、劣位の猫が強いストレスを感じているようであれば、部屋を分けて生活させましょう。
まとめ
今日のねこちゃんより:ロッキー&レニー♂ / 6歳 / ヒマラヤン / 5kg
猫の上下関係は曖昧ですが、多頭飼育をすると多少の優劣はついてきます。
無理に辞めさせることはありませんし、逆にそういった様子が全くない猫たちに優劣をつけさせる必要もありません。
飼い主さんは中立でありながらも、立場の弱い猫をストレスから守ることが大切です。状況次第では、家庭内で別居させなければなりません。よって、それを念頭に多頭飼育を始めたほうが無難だといえるでしょう。