猫の病中病後や介護で役立つ『ケア方法』5つ

猫の病中病後や介護で役立つ『ケア方法』5つ

猫も高齢化が進み、それ伴う介護や病気の看病が必要になる機会が増えました。今回は、適切なケアと環境についてご紹介いたします。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の介護で大切なこと

抱っこする猫

猫も高齢化が進んでいます。それに伴い介護が必要になる状況も増えてきました。猫の介護で大切なことは「自分でできる」を尊重することです。

猫は、トイレも食事もできる限り自分で頑張りたいと思っています。最初から全てにおいて手を貸すのではなく、少しサポートするという姿勢を大切にしましょう。

猫の思いに応えるケア方法

手を繋ぐ猫

具体的には、どのようにサポートしてあげれば良いのでしょうか?愛猫の気持ちを尊重しながらできるケア方法を5つご紹介いたします。

1.ウエットフードを活用する

食べる猫

猫は年齢を重ねるうちに嗅覚が衰えてしまいます。そうすると、風味を楽しむことができずに食欲が落ちてしまいます。

香りの強いウエットフードは、食欲を出してくれます。柔らかくて食べやすいですし、水分補給もできるので重宝します。

また、歯周病や口内炎の影響で食事が困難になってしまったときは、ドライフードをふやかすと食べやすくなります。それでも難しい場合は、ウエットフードを活用しましょう。

2.食器の位置を高くする

猫が食べやすい食器

高齢になると、低い位置での食事が首に負荷をかけ、食べにくくなってしまいます。食器の下に台を置いて高さを出すと食べやすくなります。

それでも自力で食べられなくなってしまったら、介助します。シリンジを用いてペースト状のご飯を食べさせる場合は、誤嚥(ごえん)に気をつけましょう。少量ずつ流し、必ず飲み込んだことを確認してください。

3.トイレにステップやスロープをつける

縁の低い猫トイレ

猫は綺麗好きなので、トイレ以外の場所での排泄には抵抗があります。ギリギリまでトイレでできるようにサポートしてあげてください。

トイレの段差がネックになっている場合は、縁の低いトイレに変更したり、ステップやスロープをつけて対応します。

自力で移動することが困難になってきたら、少し大変かもしれませんが飼い主さんがトイレへ連れて行ってあげてください。愛猫もトイレの意思表示ができるようになり、徐々にそのサインにも気づけるようになります。

オムツは最終手段です。いよいよ起き上がれなくなってきたら取り入れましょう。

4.こまめに爪を切る

爪を切る猫

猫は病気で思うように動けないときや、高齢になると爪とぎができなくなってしまいます。伸びた爪を放置すると巻き爪になり、肉球に刺さる恐れがあります。

リラックスしているタイミングを見計らって、こまめに爪を切ってあげましょう。爪が丸まってしまった場合は、無理をせずに動物病院で切ってもらいましょう。

5.身の回りのお手入れをする

猫のブラッシング

被毛がもつれると体が動かしにくくなり、怪我の原因にも繋がります。積極的にブラッシングをしてあげてください。

そして、お口の中を清潔にしてあげることも大切です。ウエットフードやペースト状のフードは、食べやすい反面汚れが残りやすくなります。これが歯周病や口臭を引き起こしてしまうので、無理のない範囲で歯を綺麗にしてあげましょう。

湿ったコットンで拭き取る方法が、比較的簡単で安全でしょう。目の周りや耳も、時々湿ったコットンで拭き取ってあげましょう。尚、耳のお手入れに綿棒は使わないでください。あやまって鼓膜を破ってしまったりすることがあるので気を付けましょう。

環境面で配慮してほしいこと

リラックスする猫

猫は本来、単独で生きる動物です。病気で弱っている状況に対して、非常に危機感を抱いてしまいます。環境面でも次のような配慮をしてあげましょう。

  • 騒がしくしない
  • 安心して眠れる場所を整える
  • 床擦れ予防のために柔らかい寝床を用意する
  • 暑すぎず寒すぎない室温を保つなど

猫は高い場所で休むことを好みますが、病気や高齢で弱っている場合は転落のリスクがあります。低い位置で安心できる環境をつくってあげましょう。

まとめ

撫でてもらう猫

猫の介護では愛猫の気持ちを尊重し、自尊心を保てるようにサポートすることが大切です。自分でできることは、積極的にやらせてあげましょう。

そして、病気のときは無防備になってしまうので緊張感が高まってしまいます。そのストレスも病状を悪化させてしまうことがあるので気をつけてください。

リラックスできる環境と、飼い主さんの優しい声かけが安心感に繋がります。

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