猫も『骨折』する?よくある原因と見極めポイント5つ

猫も『骨折』する?よくある原因と見極めポイント5つ

猫も骨折することがあります。その要因は家庭内にも潜んでいます。今回は、猫が骨折する主な原因と見極めるポイントについてご紹介いたします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

骨折とは?

処置を受ける猫

骨折とは「骨が損傷すること」を意味します。つまり完全に折れた状態だけではなく、ヒビや一部の骨が欠けてしまう状態も骨折に含まれます。

骨に強い圧力がかかる、あるいは弱い力でも慢性的に圧迫されることで骨の損傷が起こります。骨粗鬆症のように骨が脆くなると、普通に転倒しただけでも骨が折れてしまいます。

猫も骨折するの?

カラーを巻く猫

猫の並外れた運動能力を目の当たりにすると、骨折とは無縁な気がしますよね。しかし残念ながら、猫も状況次第では骨を折ってしまうことがあります。

猫が骨折する原因

PCを見る猫

猫が骨折してしまう原因は、意外なところに潜んでいます。いくつか例をご紹介いたします。

キャットタワーや椅子からの転落

タワーで遊ぶ猫

猫の場合は「低い位置からの転落」または「着地の失敗」が骨折しやすい要因です。肉球で衝撃を吸収するために必ず前足から着地するのですが、低い位置ではその準備が間に合わないことがあります。

さらに着地点がフローリングであることや、突発的にバランスを崩してしまうことも怪我につながりやすい要素になります。

ベランダからの転落

ベランダで遊ぶ猫

完全室内飼育をしていても、いつの間にか窓の開け方を覚えていることも珍しくなく、ベランダから落下してしまうことがあります。

戸締りの徹底や、ベランダに落下防止のネットを取り付けるなどの対策を行いましょう。

交通事故

運転する猫

猫は走っている際に、咄嗟に止まるという動作が苦手です。そして、車のライトやクラクションに驚いて身動きができなくなることもあります。猫が車に轢かれやすい背景には、これらの特徴が絡んでいるのです。

車に衝突すると、骨折はもちろん命に関わります。室内のみの生活を送る猫が増えている現代では、交通事故による骨折は減少しているでしょう。それでも注意するに越したことはありません。

骨折を見極めるポイント

勉強する猫

猫は全身が被毛で覆われているという身体的な特徴や、我慢強いという本能的な特徴が相まって骨折を見極めることが困難です。

ここでは、いち早く異変に気づいてあげるためのポイントを5つご紹介いたします。

1.さり気なく撫でる

抱かれる猫

スキンシップの際に、撫でながら痛がる様子がないか見てみましょう。特に次の部位を注意深く観察してください。

  • 骨盤付近

骨にヒビが入っただけでは、外見からの見極めは難しく、日常生活にも大きな影響が及ばないことがあります。早期発見の鍵は、愛猫がリラックスしているタイミングで積極的に撫でることです。

撫でられることを拒む、触れると痛がる部位があるなど、普段と異なる反応があれば病院を受診してください。

2.歩き方は大丈夫?

歩く猫

足に痛みがあると、無意識にかばって歩くようになります。前足を傷めると浮かして歩き、後ろ足を負傷すると引きずって歩くことが多いという特徴があります。

3.排泄にトラブルがないか

トイレに入る猫

骨盤を骨折すると、歩行困難になるばかりではなく、特に排便が困難になる可能性があります。歩き方に違和感があることにあわせて、排泄を失敗してしまう、排泄ができないなどの症状がある場合は骨折を疑いましょう。

4.腫れや赤みがないか

猫のスキンシップ

骨折した部位は、腫れて赤みを伴います。猫の場合は外見からの判断が難しいので、寝ているときにチェックしてみてください。触れたときに熱を帯びている、痛がるなどの異変があれば骨に異常がある可能性が高いでしょう。

5.意識の有無

ぐったりする猫

頭部の外傷が重度の場合、命に直結します。呼びかけや、触れたときの反応から意識の有無を確認しましょう。また、呼吸に異常がないかもチェックしましょう。

まとめ

ヤンチャな猫

猫の「ゴロゴロ音」には、骨の損傷の治癒を早める効果があります。軽度の骨折であれば、自然治癒することもあるでしょう。

ただし、損傷が激しい場合や日常生活を脅かす可能性のある骨折であれば、適切な治療が必要不可欠です。

些細なことでも異変を感じたら、早めに診察を受けさせてあげましょう。

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