食欲低下を招く不快な症状
猫はとてもデリケートな動物です。フードの変更や、環境の変化により食欲がなくなることがあります。この場合は一時的な食欲不振であることが多く、それほど 心配はいりません。
ただし、きっかけになるような変化がないのにも関わらず、食が進まない場合は何らかの病気のサインかもしれません。
ここでは食欲低下を招く不快な症状を5つご紹介いたします。
1.ストレスで胃が荒れている
人間よりもゆったりとした気持ちで過ごしているように思われがちですが、猫もストレス社会と闘う者の一員です。
その要因も、猫自身が抱えている問題だけではありません。飼い主さんが強いストレスや不安を感じていると、その気持ちが愛猫に伝染してしまうことがあります。
胃はおしゃべりな臓器といわれ、ストレスが加わると比較的早い段階でSOSを発信します。食べても吐いてしまう、食べたそうにしているけれど食べられないなどの様子が見られたら、一度診察を受けましょう。
2.お口のトラブルを抱えている
歯周病や歯肉炎、口内炎などは猫の現代病です。現在の猫の食生活はキャットフードがメインですが、食べているものによっては歯の隙間などに残りやすく歯垢が付着しやすくなります。歯垢には細菌がたくさん存在し、歯肉炎をはじめとする歯周病の原因になります。
いわゆるお口のトラブルを抱えた猫は、痛みや違和感から食が進まなくなってしまいます。日頃から愛猫が食べる様子をさり気なくチェックしてみてください。
以前と比べて食べ方がおかしいと感じたら、早めに動物病院を受診しましょう。歯周病が進行すると全身麻酔を用いた処置が必要になることもあります。
3.味覚や嗅覚に異常がある
猫の食事で重要なのは「風味」です。見た目や味よりも香りを楽しみに食べています。風味を感じ取る器官である味覚や嗅覚に異常があると、食事が不味くなってしまいます。
味覚障害そのものが病気というケースもありますが、背景に薬の副作用があるケースもあります。服用をきっかけに食欲が低下したのであれば、獣医さんに相談してみてください。
嗅覚障害は猫風邪や腫瘍など、様々な要因で起こります。自然治癒が難しいことが多いので、においに興味を持たなくなったと感じたら診察を受けてください。
4.消化器系に疾患がある
猫も加齢に伴い臓器に衰えが生じます。消化管自体やそれに付属する肝臓や胆のう、膵臓などの消化器官系に疾患があると、食べ物をスムーズに消化することができません。
慢性的に消化不良の状態が続くことで、自ずと食欲はなくなります。毛玉以外の嘔吐が目立つようになった、黄色い胆汁を吐く、吐物に血が混ざるなどの異変があれば適切な治療を受けましょう。
5.味覚嫌悪に陥っている
例えば、体調が悪いときに牛乳を飲んだことろ、気分が悪くなって吐いてしまったという経験をしたとします。この日を境に牛乳が苦手になってしまう現象を「味覚嫌悪」といいます。ある特定の食品と嫌な記憶が結びついてしまうのです。
これは猫にも起こり得る現象です。食事中に地震や雷が発生し、怖い思いをすると同じフードが食べられなくなることがあるのです。
人間が味覚嫌悪を克服することが難しいように、猫にも困難な課題となります。そこで、明らかに味覚嫌悪が疑われる場合は別のフードに切り替えてみてください。
病院に行く目安と対処法
猫は、3日間食欲がない状態が続くと肝臓を痛めてしまいます。まずは1日様子を見て、2日目に通常に戻れば様子見を継続するようにしましょう。もしも2日間食べられないようであれば、翌日には病院へ行きましょう。
2日経たずともぐったりしている、水も飲まず排尿や排便がないなどの異変があれば、すぐに診察を受けてください。
尚、お口のトラブルに関しては歯磨きをすることで予防することが可能です。日頃から気にかけるようにしてください。
まとめ
猫は食欲がない理由を、言葉で説明することができません。食べたそうにしているのに食べない、においを嗅いでは去ってしまう。これらの小さな行動が猫からのSOSである場合があります。
病気のサインを見逃さないためにも「見守り」は、飼い主さんの重要な任務です。直感でも違和感を覚えたら、一度診察を受けるようにしてください。