猫が痒いときに見せる仕草
猫が痒みを感じたときは、単に痒い場所をかくだけではありません。人間は絶対にしないであろう行動をとります。
ここでは、猫が痒さを紛らわすために行う仕草を3つご紹介いたします。
1.足で体をかく
猫も痒いときは体をかきます。人間と大きく異なるのは足でかくということです。毛繕いは毎日しても、この行動は痒いときのみ見られます。
2.過剰なグルーミング
猫にとって毛繕いは日課です。見ない日はないでしょう。ただし、熱心というよりは躍起になって毛繕いをしている場合は、過剰なグルーミングになります。
特に円形脱毛症になるほど毛繕いをしている場合は、明らかに舐めすぎです。原因を特定するためにも、動物病院を受診しましょう。
3.内股やお腹を頻繁に舐める
内股やお腹を頻繁に舐める仕草は、細菌などの感染かアレルギーによる痒みの可能性があります。皮膚をよく見ると、左右対称に赤くなっていることが多いでしょう。
この行動も毛繕いの一環として見られますが、痒みを伴っているときは、頻度が多くなります。日頃からグルーミングの様子をさり気なくチェックしておきましょう。
痒みの原因は?
猫が痒みを感じる主な原因は、次のようなものが挙げられます。
ノミやダニ
ノミが原因で痒みが生じる理由は、寄生して皮膚を這う際の違和感・吸血時のノミの唾液に対するアレルギー反応です。
ノミ自体を見つけることは困難ですが、ノミの便が痕跡になります。黒くて1~3㎜程度の長さで糸のように細い、アルファベットのCのような物体があれば、それがノミの便です。犬と同居している場合、散歩の過程で犬に寄生して家庭内に侵入することがあります。
ダニは比較的身近な存在です。愛猫が過ごす場所はこまめに掃除するようにしましょう。ダニやノミは人に移る感染症を持っています。ノミやマダニの駆除薬がありますので、定期的に投与するようにしましょう。
カビや細菌による皮膚炎
皮膚炎は痒みを伴います。中でもカビや細菌による感染は、対策が必要になります。特に「皮膚糸状菌症」という真菌には気をつけてください。
これは、人間や犬にも感染する恐ろしい病気です。突然広い範囲で脱毛するのが特徴です。通常の換毛期とは異なる、時期的に不自然な脱毛が見られる場合は病院へ連れて行きましょう。
脱毛範囲が小さい場合、脱毛部分の消毒、外用薬の塗布や抗真菌薬用のシャンプーで猫の全身を洗うことが治療になります。範囲が広がっている場合は、抗菌薬の服用も併用します。
アレルギーによる皮膚炎
ノミアレルギーの場合は典型的な症状が皮膚に現れますが、環境中の花粉やイエダニ、食物アレルギーが疑わしい場合は、血液検査でアレルギーを特定することが重要です。中にはあぶりだせない要因もありますが、一度受けてみる価値はあるでしょう。
原因となる物質が明らかになったら、獣医さんのアドバイスに従って生活環境を整えましょう。
ストレスの可能性もある
皮膚炎の原因が「痒み」ではなく、ストレスによる過剰なグルーミングである可能性も考えられます。
病院でも特定の病気が認められない場合は、ストレスを感じるような要因がなかったか思い出してみましょう。思い当たる節があれば、できることから改善していきましょう。
まとめ
猫の日課である毛繕いは、私たちにも見慣れた光景です。そこに違和感を覚えたら、通常のグルーミングとは異なると認識しましょう。皮膚の状態をチェックしてみてください。
異常があれば動物病院で適切な治療を受けましょう。並行して、原因に合った生活改善も行うようにしましょう。