生後間もない子猫に遭遇したら…
生まれたばかりの子猫に遭遇したら、冷静に次のような行動をとってください。
いきなり子猫に接近せずに、母猫が戻ってこないか見守ります。30分以上戻らない場合は、子猫の命を優先して保護します。
保護したら、口の中が乾いていないこと・脱水を起こしていないことを確認しましょう。脱水は皮膚を摘むことで確かめます。摘んだ皮膚の戻りが悪ければ脱水を起こしています。
この時点で異変があれば、動物病院へ連れていきましょう。
どのようにお世話するの?
まだ目も開いていない子猫は、自力では何もできません。突然母猫代わりになってしまったら、次のようなことを優先的に行いましょう。
1.体温を保つ
子猫は自分の体温すら、自力で保つことができません。とりあえずは手持ちのタオルで包み、背中から足にかけて優しくマッサージします。
帰宅後は小さいダンボールにひざ掛けやフリースなどを敷き、中に使い捨てのカイロやお湯を入れたペットボトルなどを入れます。(暑くなれば移動できるように敢えて温めない場所も一部作っておきます)子猫が直接触れないように気をつけましょう。
ダンボールには保温性があるので最適なアイテムです。毛布素材のものを敷く理由は、保温性だけではなく母猫に包まれているような安心感を与えるためです。
生後1~2週までは、環境温度を34℃程度に保ちましょう。その後は27℃前後を保つように心がけます。
2.授乳は2~3時間おきに
子猫のお世話で最も大変なのは授乳です。人間の赤ちゃんと同様に、2~3時間おきに授乳をしなければなりません。母乳の代わりに、子猫用のミルクを用意します。分量は缶に記載されているので、よく読んでください。
授乳には、子猫用の哺乳瓶・スポイト・針のないシリンジのいずれかを使います。ミルクが気管に入らないように慎重に飲ませましょう。
実際に飲ませる前に小指を子猫の口の中に入れ、ゴクゴクと飲み込む動作ができるか確認しましょう。できることが分かったら、いよいよ実践です。
コツは、哺乳瓶の乳首を舌の手前よりも奥に入れることです。反射的に授乳を促すことができます。無理に瓶を傾けたり、シリンジのスピードを早めずにペースを感じ取るようにすることが大切です。
3.排泄のお手伝いをする
猫の赤ちゃんは、母猫がお尻を舐めて刺激することで排泄することができます。つまり、自力では排泄できないのです。これも、母猫に代わりお手伝いしなければなりません。
時間帯としては授乳の前後に行います。方法は、ぬるま湯で濡らしたコットンやティッシュなどで"ポンポン"とリズミカルにお尻を刺激します。皮膚が薄いので、擦ることは控えましょう。
人工のミルクの場合、標準的な便は黄色味を帯びた色になります。これより水っぽい状態は軟便です。便の状態が安定していれば、欲しがるだけミルクを飲ませましょう。
ミルクを飲むにもかかわらず便が3日以上出ないときは必ず動物病院を受診してください。
4.記録をつける
ミルクの摂取量や排泄の様子、体重など健康のバロメーターになる内容を記録に残しておきましょう。
体重は毎日同じ時間帯で統一してください。1週間の平均で、1日あたり7~13g増えていれば順調に成長している証です。
5.異変があればすぐに病院へ
子猫の成長はあっという間ですが、全てが順調に行くとは限りません。些細な刺激で体調を崩してしまうことがあります。
少しでも異変を感じたら、動物病院を受診しましょう。
お世話が困難な場合は?
ここまでのステップを読んで、子猫のお世話は大変だという印象を持つ方もいらっしゃるかもしれません。仕事や学業の関係で、お世話が困難な場合もあると思います。
その場合は、保護猫のボランティア活動をしている団体にSOSを出しましょう。動物病院や動物愛護センターが紹介してくれることもあります。
1人で抱え込まずに、そのような機関があることを頭の片隅に留めておいてください。
まとめ
子猫は生後4~13日で目が開きます。光に弱い時期なので、お世話をする部屋はあまり明るくないほうが良いでしょう。撮影時もフラッシュが切れていることを必ず確認しましょう。
今回は、大まかなお世話の内容と注意点を紹介いたしました。赤ちゃんを育てるのは大変ですが、日々成長していく姿を見る楽しみもあります。お世話をする際に悩むことや困ることもあると思います。一人で抱え込まず不明なことは動物病院などに相談しましょう。