1.お腹が空いていない
もともと食に貪欲ではない子もいる
前回の食事が多過ぎたり時間があまり経っていないと、お腹がさほど空いていなくてごはんに口をつけないことがあります。猫ちゃんの中には食事にあまり貪欲でない子もいるため、食欲にばらつきがあることもあります。高齢猫ちゃんになると「一度にたくさん食べられない」ということもあるでしょう。
ごはんに飽きてしまうことも
猫にとって「ごはんの種類を変えること」がストレスになる場合があります。反対に中にはある日ぱたりと今のごはんに飽きてしまって食べなくなる子もいます。このように猫ちゃんの気分によって食べたくないと思ってしまうこともあります。
無理に食べさせずに様子を見る
ごはんを出しても口をつけない場合、無理に食べさせようとせず一度ごはんを下げて様子を見ましょう。一食食べないからといって、それが体調不良によるものなのかただ単に食べたくないのかを見極めるのは難しいでしょう。
一度出してしまったごはんは香りが薄れやすいため、次に出すごはんは新しい物にする方が食いつきが改善しやすいです。様子を見る間に、水を飲む量やトイレの様子など食欲以外の異変がないかをチェックしましょう。
2.ストレス
引っ越しや来客などでストレスを受けたことが原因の場合
猫はストレスを受けると食欲が落ちてしまうことがあります。引っ越しや来客、愛猫を連れての移動など、愛猫が何かに強いストレスを受ける出来事がなかったかを思い返してみましょう。ストレスを受けた猫は興奮状態になったり、隠れて出てこようとしなくなることもあります。
不安や緊張を取り除いてあげる
引っ越しや来客、愛猫を連れての移動などが原因と考えられる場合、しばらくそっとしておいて猫ちゃんが落ち着くと食欲が戻ることも多いです。
私の経験では引っ越し当日は口をつけようとしなかった子も、2~3日すると全量を食べるようになったこともあります。明らかな原因がわかっている場合は、猫ちゃんのストレスの原因になっているものを取り除いてあげ様子を見てみましょう。
3.体調不良の場合
食欲がなくなる原因は多岐に渡る
最も心配なのは、体調が悪くてごはんを食べたくない場合です。内臓的な疾患のほか、感染症や口腔内の炎症など、食欲がなくなる原因はさまざま考えられます。食欲不振のほかに発熱、嘔吐や下痢、元気がなくなったりするなどの異変がある場合は体調不良が疑われます。
食欲不振のほかに異変がある場合はすぐに受診した方が安心
一食食べないからといって心配はいりませんが、食欲不振のほかにいつもと違う様子が見られる場合はすぐに受診すると安心です。猫は体調不良であっても平気な素振りを見せやすいため、明らかに様子がおかしい場合は体調不良が悪化している恐れがあるためです。
どのくらい食べない場合は受診するべき?
食欲不振以外の異変がない場合、どのくらい食べなかったら受診するべきなのか悩ましいところです。猫ちゃんの年齢や体型によっても様子を見る時間は異なってくることがポイントです。
成猫の場合
他に持病がない成猫の場合、食べない状態が24時間以上続く場合は受診するようにしましょう。少し食べていても水を飲む量も減った場合は36時間以内に、普段の量を食べない状態が続く場合は72時間以内に受診すると安心です。
子猫の場合
生後半年に満たない子猫の場合、成猫よりも体調が繊細なので急変が起こりやすいです。
そのため食べなくなってからの時間が
- 生後1~2ヶ月は8時間以上
- 生後2~3ヶ月は12時間以上
- 生後3~4ヶ月は16時間以上
の場合は「食欲不振」の状態です。子猫の場合は早めに受診するようにしましょう。
肥満体型の場合
肥満の猫がいきなり食べなくなると、肝リピドーシスという肝臓に脂肪が蓄積される病気になるリスクが高いです。肥満気味の猫ちゃんの場合、何も食べない状態が36時間以上続くと肝リピドーシスを起こしやすいため、様子を見る時間は36時間以内にし受診するようにしましょう。
まとめ
一食分食べないからといってすぐに命にかかわることはありませんが、食欲不振の原因が体調不良である恐れもあるため猫ちゃんに食欲以外の異変がないかをチェックしてあげましょう。その原因が「ただお腹が空いていないから」「ストレスを感じたから」である場合は、しばらくすると食べるようになることが多いです。
「フードに飽きてしまった」という場合も、お腹が空けば出されたごはんを食べるようになるでしょう。しかし子猫の場合やもともと持病がある場合、食欲不振以外の異変がある場合、肥満気味である場合などは早めに受診するようにしましょう。