猫のおならが臭くなる原因
1.猫は「タンパク質メインの食事」だから
猫は肉食動物であることが、おならの臭いと関係しています。肉を消化する際に大腸でおならのニオイの原因となる硫化水素、アンモニア、インドールなどが発生しやすいため、肉や魚など動物性タンパク質がメインの食事が必要な猫は健康に問題がなくてもおならの臭いが気になりやすいと言われています。
2.消化不良
消化不良を起こすと嘔吐や下痢が見られることがありますが、このときおならの回数が増えたり臭いがキツくなったりすることがあります。これは適切に消化できたときと比べると未消化の状態の方が臭いの強いガスを発生させやすいためです。
3.腸内環境の悪化
腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3つに分けられます。この中で悪玉菌の割合が増えるとバランスが崩れ、腸内環境が悪化しやすくなります。悪玉菌が優勢になると腐敗菌が増え、ニオイの原因となるアンモニアや硫化水素などが発生しやすくなります。
4.ストレス
猫はストレスに敏感で、ストレスを受けると体調不良を起こすことも少なくありません。ストレスによって消化不良になったり下痢を起こしたりすることで、おならの臭いが強くなることも考えられます。またストレスは腸の動きを鈍らせ、悪玉菌が増えてしまうこともおならのニオイが強くなることと関係があると考えられます。
5.病気
- 寄生虫感染による下痢
- 小腸性下痢
- 腸閉塞
など、体調不良によっておならの臭いが強くなることもあります。水様便のひどい下痢を起こすと脱水症状を起こしたり体重が急激に減少したりしてしまう恐れもあるため、猫ちゃんにとって大きな負担となります。腸閉塞を起こすと食べても吐いてしまうようになり、ひどい場合は腸の壊死や激しい嘔吐や腹痛など命にかかわることもあります。
猫のおならの臭い対策
体調不良が原因の場合は治療が優先!
おならの臭いの原因が体調不良である場合には、食事やサプリメントなどによる改善よりもまずは治療が優先です。嘔吐や下痢、元気がなくなるなど少しでも異変がある場合には早めに受診して原因を突き止めましょう。
フードを見直す
明らかな病気が見られないものの嘔吐や下痢があっておならの臭いも気になる場合、現在のフードが猫ちゃんの体質に合っておらず消化不良を起こしていることがあります。
- 穀物の消化が苦手
- デンプンや糖などの消化が苦手
- タンパク質や脂質の種類が合っていない
- 添加物が悪影響を及ぼしている
など原材料に原因があって、猫ちゃんの体質に合っていないのかもしれません。猫ちゃんの体質によってピッタリのフードが異なるため「絶対にこのフードが良い」とは言い切れませんが、猫ちゃんの体質に合った食事を見つけてあげることで消化不良が軽減する場合もあります。
ストレスを軽減させる
ストレスをできるだけ排除してあげることは、おならの臭いに限らず猫の健康維持にとても重要です。部屋の環境や多頭飼育の環境、トイレ、運動など、猫ちゃんの現在の環境を見直してみましょう。また運動不足だと飲水量が減り便秘になりやすく、腸の動きも鈍くなってしまいます。ストレス発散のためにも一緒に遊ぶ時間も大変重要です。
猫用のサプリメントを取り入れる
最近ではプロバイオティクスやオリゴ糖など、腸内環境をサポートする成分が入っているフードもありますね。もしフードにそれらが含まれていない場合は、食事を補助する目的でサプリメントを取り入れてみるのも良いでしょう。
猫と人間では食べるものも違うため、腸内環境にも違いがあります。人間や犬の場合は善玉菌の代表的存在はビフィズス菌ですが、猫の場合は「腸球菌」が優勢であることが分かっています。
そのためサプリメントは人間用の物ではなく、猫用として販売されているものを選ぶようにすると効果的です。もし持病がある場合は、獣医師に相談してから活用するようにしましょう。
まとめ
猫のおならはほとんど音がしませんが、猫は肉食性の強いためおならが臭くなりやすいです。健康に問題はなくてもおならには臭いがあるものですが、嘔吐や下痢があったり1日に何回もおならをしていたりする場合には体調に問題がある恐れがありますので受診すると安心です。
フードが合っていない場合、フードの変更でおならの臭いが改善されることもあります。サプリメントはあくまで食事のサポート役として、猫用のものを選ぶようにしましょう。