猫が毛玉を吐く理由
「なぜ体の中に毛が?」と思うかもしれません。
猫はよく毛繕いをしていますよね。猫の舌には無数の突起があり、ブラシのように毛をとかす役目をしています。この高性能なブラシのような舌に絡んだ抜け毛を一緒に飲み込んでしまっているのです。
通常、猫が飲み込んだ毛は腸管を通り、便と一緒に排泄されます。
しかし、食道や胃に溜まってしまった毛は毛玉となり、吐いて体から排出しようとするのです。
また、短毛種よりも長毛種の方が飲み込む毛量が多いため、吐く回数は多く、毛繕いが大好きな猫は、必然的に吐きやすい傾向にあります。
ケア方法は?
1.ブラッシング
簡単に取り入れることができ、効果的な毛玉ケアは、ブラッシングです。ブラッシングは、抜け毛を効率良く取り除き、猫が過剰に毛を飲み込むのを防いでくれます。
ブラッシングの頻度としては、短毛種は週2、3回程、長毛種は毎日行うのが良いでしょう。しかし、中にはブラッシングを嫌がる猫もいますよね。
無理やり行うと、猫にストレスを与えてしまいます。ブラッシングの際にブラシに被毛が引っかかると痛いので猫が嫌がるようになってしまいます。引っかかる部分は無理に引っ張って梳かすのではなく、被毛の根元を持ち皮膚が引っ張られないように梳かしていきましょう。猫が触られて喜ぶ顔や首周りを短時間行うことから始め、少しずつ慣らしていきましょう。
2.毛玉対応のフードを与える
玉になるのを抑制できるキャットフードが販売されています。
これらのフードには、「毛玉ケア」や「ヘアボールケア」と記載されており、可溶性食物繊維源で粘り気のあるサイリウムや、不溶性食物繊維など多くの食物繊維が配合されています。
これにより、毛繕いで飲み込んだ抜け毛が、便と一緒に排泄されるのをサポートしてくれます。猫にとって必要な栄養がバランスよく含まれているため、健康を保つためにも有効で、少しずつ慣らしながら、取り入れていくと良いでしょう。
3.猫草を与える
猫草とは、イネ科の植物で、ホームセンターやペットショップなどで販売されています。猫草の尖った葉が胃を刺激し、猫が毛玉を吐きやすくなる作用があると言われています。
とは言え、猫は肉食ですので、たくさん食べすぎると消化不良をおこしてしまいます。くれぐれも与えすぎには注意しましょう。
注意すべき病気とは?
猫が毛繕いで飲み込んだ毛玉が、消化されずに胃や腸などの消化器官に溜まると、「毛球症」という病気になる可能性があります。吐き気や便秘、食欲低下などの症状が現れたら、毛球症かもしれません。
そのまま放置しておくと、毛玉はどんどん大きくなり、排泄も食事もできなくなってしまいます。猫の命にも関わる病気であり、投薬治療で改善されなければ、開腹手術で毛玉を取り除く必要があります。
ご飯を食べない、食べても吐いてしまうなどの症状が現れた場合は、病院で診てもらいましょう。
まとめ
いかがでしたか?猫にとって毛繕いは、日々の生活に欠かせない行動。しかし、そんな毛繕いが猫の健康を脅かす可能性があることを、飼い主さんは忘れてはいけません。
飼い主さんが猫のために日頃のケアしっかりと行い、毛玉の原因になる抜け毛をまめに取り除くことが大切だと言えます。
ブラッシングは、猫とのスキンシップにもなりますので、積極的に行ってあげてくださいね!