冷えから起こる体調不良のサイン
猫は私たちよりも遥かに地面に近い環境で過ごしています。冬場は冷えやすく、体調を崩しやすい時期です。フローリングが主流となった現代の住宅環境も、冷えのリスクを上げる要因になるでしょう。
猫は、寒くても言葉で寒さを訴えることができません。よって、些細な変化に気づくことが大切です。次に紹介する5つの症状は、冷え性から起こる不調のサインです。
1.下痢や便秘になる
猫の体の中で最も冷える場所はお腹です。腹部は胃や肝臓、そして腸など消化や吸収に関わる大切な臓器が集中しています。これらの部位は多くの血流を必要としています。
冷えによって血流が滞ると、臓器のはたらきが悪くなります。水を飲んでいても便秘気味であったり、寒い時期に下痢をしやすい猫は冷えを起こしている可能性が考えられます。
2.食欲がない
冷えの影響で消化器官が弱くなると、自ずと食欲も落ちてしまいます。先ほどの便秘や下痢に加え、何となく食欲がないと感じたら室内が冷えていないか気にかけてあげましょう。
3.手足が冷たくなる
猫の肉球は、体温の影響を受ける場所です。発熱時には熱くなり、冷えを感じているときには冷たくなります。
デリケートな部位なので触れられることを嫌がる猫もいるでしょう。眠っているときにさりげなく触れてみてださい。
4.関節の動きが悪くなる
高齢の猫や足が不自由な猫は、冬場に関節の動きが悪くなってしまいます。スキンシップを取る際に、腰や足を優しくさすってあげましょう。
尚、マッサージをするときは飼い主さん自身の手を温めてから行ってください。お湯で手を洗うことで、静電気防止にもなります。
5.丸くなってじっとしている
猫は寒さを感じると丸くなります。これは、本能的に腹部を守る行動です。野生の猫にとっては理にかなったものですが、室内飼育であれば適度に室温を上げたほうが良いでしょう。
室温は26~28℃、湿度は50~60%が過ごしやすい環境になります。少し意識してみてください。丸くなって過ごす機会が多くなると、運動不足や消化不良の原因にも繋がります。
常に「肉球が冷たい」は要注意!!
一時的な冷え性でも肉球は冷たくなります。しかし、常に冷えている場合や、極端に冷たいと感じる場合は要注意です。加えて肉球が白っぽくなっていないか確認しましょう。心臓の病気が潜んでいることがあります。
愛猫を冷えから守る方法
室温に注意する他にも効果的な冷え対策があります。具体例をご紹介いたします。
- お気に入りの場所にラグを敷く
- 寝床にブランケットを敷く
- ダンボールを置く
- こたつやホットカーペットを活用する
- 肥満を予防する(冷えやすい体質になるため)
こたつやホットカーペットは、暖を取る手段としては効率が良いでしょう。ただし、低温やけどや酸欠、熱中症には気をつけましょう。飼い主さんが不在の際は使用しないでください。
まとめ
冷えは万病の元です。冷えの感じ方は個体差がありますが、丸くなっておとなしいという印象を受けたら室温を意識してください。そして、ここで紹介した症状には他の病気が潜んでいる可能性も考えられます。
愛猫の様子がいつもと違うという違和感を覚えたら、躊躇せずに獣医さんに相談してください。