全然毛玉を吐かない…大丈夫なの?
猫は定期的に毛玉を吐きます。吐物にも毛の塊が目立つため、原因が毛玉だと分かることで安心します。
ところが、あまり毛玉を吐かない猫もいます。これは、逆に心配になりますよね。毛繕いをするので、確実に被毛を飲んでいるはずです。一体どうなっているのでしょうか?
体内に取り込まれた被毛の大半は便として排出されます。特に短毛種の猫は、毛が短いので嘔吐の頻度もそう多くはないのです。
だから毛玉を吐かないこと自体が危険なものではありません。大抵の場合は問題ないのです。
毛玉が詰まっているかも!?そのサインは?
短毛種は毛玉が詰まるリスクが少ないことが分かりました。長毛種の猫も便として毛玉を排出することは可能です。ただし、飲み込む量が多くなってしまうことから、毛玉が詰まるリスクは大きくなります。
毛玉が詰まってしまう状態を「毛球症(もうきゅうしょう)」といいます。毛球症になると次のような症状が現れます。
- 食欲がなくなる
- 元気がなくうずくまっていることが多い
- 水を飲まなくなる
- 腹部に触れられることを極端に拒む
- 下痢や便秘になるなど
これらの症状が2日続くようであれば要注意です。
毛球症は早期治療が重要
毛球症は、最終的に腸閉塞を引き起こし、最悪の場合は死に至るほど恐ろしい病気です。手術を必要とすることもあります。
よって早期発見・早期治療が大切なポイントです。先ほどの症状が2日続く、もしくは明らかに異常がある場合はそれよりも前に動物病院を受診しましょう。
軽度であれば、飲み薬で毛玉が便とともにスムーズに排泄される治療をします。薬では除去しきれなかった場合や、腸にまで影響が及んでいる場合は手術で取り除きます。高齢の猫や、内臓の機能に問題を抱えた猫はハイリスクになる場合もあります。
毛球症は日頃の生活の中で予防することが可能です。
毛球症の予防法
毛球症は次のような方法で予防することができます。
こまめにブラッシングをする
短毛種は週に1回、長毛種は毎日ブラッシングをしましょう。ブラッシングで被毛を取り除くことで、毛繕いの過程で飲み込む被毛の量を減らすことができます。
毛玉ケアのフードを食べさせる
毛玉ケアのフードは、便として排出しやすい工夫が施されています。ドライフードとウエットフードをブレンドすると、より効果的です。ただし、ウエットフードを加えると置き餌はできなくなります。
猫草を食べさせる
繊維質の猫草は、食べることで胃を刺激します。そして毛玉を吐きやすくしてくれます。猫草を食べると嘔吐するのには理由があったのです。
猫草は便利な反面、気をつけてほしいことがあります。まず、内臓が未発達な子猫は食べられません。また、胃腸が極端に弱い猫にも不向きです。
ある程度胃腸が丈夫な猫に取り入れるようにしましょう。手で食べさせる場合は、縦に突き出すのではなく、横向きにして食べさせてください。
まとめ
毛玉の多くは、便として体外へと排出されます。毛玉を吐かないこと自体が大きな問題ではありません。しかし、毛球症を疑う症状がある場合は動物病院を受診する必要があります。
毛繕いは日課なのでやめさせることは不可能です。適切なケアと予防法を活用しながら、できる限り飲み込む被毛の量を少なくしてあげましょう。