病気じゃないけど吐いちゃう…その原因は?
猫が嘔吐する原因は、病気だけではありません。嘔吐の要因は、日常生活の些細なところに潜んでいます。
重病ではないものの、気をつけてほしい嘔吐の原因をいくつか挙げてみます。
食べ過ぎ・早食い
猫は、1年の中で食欲が増す時期があります。それは、秋から冬にかけてです。この時期は、たくさん食べて適切な脂肪を蓄えようとします。
とはいえ、急激に食べ過ぎてしまうと胃腸に負荷がかかります。結果的に嘔吐の頻度が増してしまうのです。
そして季節に関係なく、早食いしてしまう猫がいます。特に保護猫に多い傾向があります。「食べられるときにガツガツ食べなければ」という本能がそうさせてしまいます。
早食いも胃腸に負荷をかけ、嘔吐の原因になります。
空腹時間が長い
猫は元々、少量の食事を数回に分けて食べる習慣があります。1日2回の食事では空腹状態が長すぎてしまう猫もいるのです。
白い泡状の胃酸や、黄色い胆汁は空腹時の嘔吐によく見られます。
毛玉を吐き出している
猫には毛繕いという習慣があり、その過程で被毛を飲み込んでしまいます。大抵の場合は、便と一緒に排出されます。
ところが、長毛種の猫は被毛が長く、量も多いため排出が追いつかないことがあります。その結果、嘔吐して吐き出すことがあるのです。短毛種の猫も、換毛期には嘔吐することがあります。
吐物の中に毛の塊がある場合は、毛玉が原因です。その後の食欲や行動が普段通りであれば、それほど心配しなくても大丈夫です。
注意すべきは嘔吐後の様子!
嘔吐後も元気にしている場合や、食欲がいつも変わらない場合は問題のないことが多いでしょう。気をつけたいのは、次のような異変があるときです。
- 吐物に血が混じっている
- 明らかに元気がなくぐったりしている
- 嘔吐後も苦しんでいる
- 食事を摂らず、水も飲まない
- 便や尿の出が悪い
- 意識がないなど
これらは病気や誤飲のサインです。迷わず動物病院へ連れていきましょう。
嘔吐の対処法は?
通院の必要はないものの、生理的に起こる嘔吐にも誤嚥(ごえん)性肺炎のリスクがあります。誤嚥性肺炎とは、嘔吐が原因の場合は吐物が気管に入り、肺の中で菌が増殖するタイプの肺炎です。
嘔吐による体力の消耗という観点からも、予防できるものは防ぐに越したことはありません。簡単にできる対処法を3つご紹介いたします。
食事の回数を増やす
1日あたりの摂取量は変えずに、小分けにした食事を数回に分けて食べさせます。これにより、空腹が原因の嘔吐や食べ過ぎを防ぐことができます。
食欲が増す秋は、ほんの少しだけ摂取量を増やしても良いでしょう。ただし、肥満には注意してください。既に肥満の猫は摂取量を守りましょう。
早食い防止の食器を活用する
食器の中に突起があり、食べるのに時間を要する工夫が施されている食器があります。食べるスピードが異様に早い猫は、この食器を活用することで無理なく早食いを防止することが可能になります。
毛玉対策をする
毛玉が原因の嘔吐が多い猫は「毛球症」を予防する意味でも、毛玉対策が要になります。毛玉ケアのフードに切替える、こまめにブラッシングをするなどを心がけましょう。毛玉を排泄させやすくするサプリメントなどを利用するのもよいでしょう。
毛繕いをやめさせることは不可能です。大切なのは、飲み込む被毛の量を減らす努力をすることになります。
まとめ
生理的な嘔吐は慌てずに見守ることが大切です。考えられる原因に合った対処法を試してみてください。
ただし、嘔吐後の様子に異変がある場合や、頻繁に起こる嘔吐が気になるようであれば動物病院で診察を受けてください。