猫に人間のツナ缶を食べさせてはダメ!!
ツナ缶を開ける音と猫缶を開ける音は、区別がつきません。猫缶を食べる習慣のある猫は、音につられてやって来てしまいます。
つぶらな瞳で見つめられると、ついついおすそ分けしたくなってしまいますよね。でもダメなんです。ツナ缶は人間が食べることを想定して作られています。猫が食べると健康を害することがあるのです。
今回は、猫にツナ缶が危険な理由を3つご紹介いたします。
1.塩分・油分が多い
キャットフードにも微量の塩分が含まれています。しかし、人間が食べるツナ缶にはより多くの塩分が含まれています。塩分の過剰摂取は、心不全やその他の心疾患を引き起こす恐れがあります。
さらに、ツナ缶の特徴ともいえる油分も肥満の原因になります。
2.イエローファットになる可能性がある
ツナ缶の原料はマグロやカツオなどです。これらの魚には「不飽和脂肪酸」が豊富に含まれています。人間が適度に摂取すると血液をサラサラにしてくれる効果が期待できます。
しかし、不飽和脂肪酸を猫が過剰に摂取してしまうとイエローファット(黄色脂肪症)になる恐れがあります。
脂肪は本来透明です。不飽和脂肪酸を過剰に摂取すると脂肪が酸化して黄色に変色します。これこそがイエローファットの名の由来です。
黄色脂肪症は、下腹部に黄色い脂肪の塊(しこり)を形成します。痛みを伴い、歩き方がぎこちないものになります。腹部に触れられることを極端に拒むことも特徴です。
3.メチル水銀が含まれている
マグロにはほかの水産物に比較してメチル水銀が多く含まれています。マグロやマグロの加工品は、人間でも過剰に摂取することは好ましくありません。水銀中毒により、中枢神経系に影響を及ぼす可能性があります。
人間よりも遥かに体の小さな猫には、より危険なのです。
ヒトでは、メチル水銀濃度の高い水産物を主菜にすることを週に2回以下にした方が良いとの報告があります。
(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/)
極端に摂取しなければ大きな問題はないといわれていますが、あげすぎないように注意してください。
「猫は魚が好き」は日本特有のイメージ
猫が好きな食品というと、魚を連想することが多いかもしれません。でも、これは日本人特有のイメージです。外国人はチキンやターキーを連想します。
猫は本来、肉食動物なので魚を好んで食べることはありません。日本人は元々魚を食べる習慣があることから、「ねこまんま」として魚を食べさせていたのでしょう。それが根付いてしまったのです。
ツナ缶を要求されたときの対処法
愛猫がどうしてもツナ缶を欲しがるとき、どう対応すれば良いのでしょうか?簡単な対処法を2つご紹介いたします。
無視する
料理にツナ缶を用いる際、淡々と調理を進めて無視をします。もしくは「これはダメ」と一言告げてから無視をします。
これを繰り返すうことで、「貰えない」ことを学習します。やがて音に反応することもなくなるでしょう。
猫缶を食べさせる
無視はどうしてもできないという飼い主さんは、猫缶で対応しましょう。自分がツナ缶を食べる日は、愛猫も猫缶(ウエットフード)を食べる日というように工夫すると良いでしょう。
まとめ
猫にツナ缶を食べさせることは、健康を害する恐れがあり危険です。たとえ欲しそうな顔をしていても、食べさせることは控えましょう。
元々貰えないものには、やがて興味が薄れていきます。あげないことが可哀想なのではありません。病気になり苦しむほうが気の毒です。
愛猫の未来を考えてツナ缶は食べさせない、もしくは必ず猫缶で対処するように心がけましょう。