猫の死に直結する恐ろしい病気4つ

猫の死に直結する恐ろしい病気4つ

猫の死因として多い病気の上位には、泌尿器疾患、腫瘍、循環器疾患や若齢時の感染症などが挙がります。その中から、代表的な病気を1つずつ選び、原因や治療、死につながる病態などについて整理しました。猫が罹りやすい病気だという認識を持つことで、健康管理の一助にしてください。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の死因として多い病気

子猫

猫が罹りやすい病気を知り、その予防に努めるのは大切なことです。特に死に直結する病気を知っておき早期発見に努めることは、愛猫の健全な生活に有意義だと言えるでしょう。

アニコムどうぶつ白書によると、猫の死亡原因の上位5疾患は下記となっています。

(1) 0歳:死亡割合約2%
感染症(43.8%)、呼吸器(10.0%)、消化器(6.2%)、循環器(3.3%)、血液(2.9%)

(2) 5歳:死亡割合約1.5%
泌尿器(38.1%)、循環器(16.7%)、腫瘍(16.7%)、血液(9.5%)、呼吸器(4.7%)

(3) 12歳以上:死亡割合約8%
泌尿器(32.7%)、腫瘍(15.9%)、呼吸器(8.5%)、循環器(5.7%)、内分泌(4.9%)

そこで、若齢時の感染症から猫伝染性腹膜炎(FIP)、泌尿器系疾患から腎臓病、腫瘍からリンパ腫、循環器系疾患から肥大型心筋症の4つを選択し、概要をご紹介します。

1. 猫伝染性腹膜炎(FIP)

戯れる子猫達

(1) 原因
猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)。
イエネコが通常持っている弱毒性のウイルス(FECV)の突然変異により強毒化。

(2) 分類と症状

  • ウェットタイプ:腹膜炎、胸膜炎、腹水、胸水など
  • ドライタイプ:ブドウ膜炎、肝機能低下、腎機能低下、神経症状など
  • 両タイプ共通:元気食欲の低下、発熱、体重減少(発育不良)など

(3) 治療
臨床症状の改善や延命を目的とした治療のみ。

(4) 予防
ワクチン等の確実な予防法なし。強毒化の要因となる猫のストレスの低減が有効。

2. 腎臓病

水を飲む猫

(1) 原因
直接腎臓がダメージを受ける他、腎臓以外の臓器が原因となることも多い。尿管結石から急性腎不全に進行するケースもある。

(2) 分類と治療
急性腎臓病:治癒の見込みあり。早期発見が重要。
慢性腎臓病:治癒の見込みなし。進行遅延、QOLの維持を目的とした治療のみ。

(3) 予防
十分な水分補給および定期的な健診よる早期発見。

(4) 死へ繋がる病態
腎機能の低下による尿毒症や高カリウム血症。

3. リンパ腫

隠れる猫

(1) 原因
不明。胸腺型リンパ腫は猫白血病ウイルス(FeLV)感染との関連性が高い。

(2) 分類
消化器型、鼻腔型、皮膚型、縦隔型、その他(脳・眼球内・腎臓など)など様々。部位により症状も異なる。

(3) 治療
外科手術、抗がん剤、放射線治療から病態や状態により選択。

(4) 予防
確実な予防法なし。
胸腺型についてはFeLV感染の予防(ワクチン接種)が有効。
飼い主の禁煙も有効。

4. 肥大型心筋症

口呼吸する猫

(1) 原因
遺伝性の素因が関連。好発種はアメリカンショートヘア、ノルウェージャン・フォレスト・キャット、スコティッシュ・フォールドなど。後天的要因は不明。

(2) 症状
進行に伴い徐々に活動性が低下し疲れやすくなる。初期症状ははっきり現れず気付かれにくい。

(3) 治療
内科的な対症療法が中心。

(4) 予防
有効な予防法なし。定期検診による早期発見が重要。

(5) 死へ繋がる病態
心臓内に停滞した血液が血栓となり全身の血管(特に後肢)に詰まる危険性あり。

まとめ

入院中の猫

愛猫の健康管理のためには、健康時の愛猫の様子や飲水量、尿量、呼吸数などを把握しておき、定期健診と共に早期発見に努めることが大切になります。

また、ストレスはウイルスを強毒化させる突然変異の要因となったり、愛猫の病態を悪化させる要因になりやすいので、飼い猫の生活環境をストレスフリーにすることも心がけましょう。

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