猫が長生きできないかもしれない食生活4つとその改善策

猫が長生きできないかもしれない食生活4つとその改善策

私たち人間は雑食性ですが、猫は完全肉食性です。そのため、食事の内容から食べ方まで、異なる点が多々あります。それを知らずに人間と同じ感覚で食事を与えると、良かれと思ったことが逆効果になることも。猫に長生きしてもらうために避けるべき食生活について考えてみましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の食事量自動調整能力

獲物を咥えた猫

猫は私たち人間とは異なる食性のため、人間と同じ感覚の食生活では健康に良くない影響を与えることがあります。今回は、猫が備えている食生活に関する特徴や能力を踏まえた上で、避けるべき食生活について整理します。

猫は、好きな時に好きなだけ食べられるという環境(自由採食)だと、少量の食事を1日に9〜16回行うという報告があります。また時間を決めて規則正しく小数回給餌された猫は、自由採食の猫よりも尿中のマグネシウムやリン酸値の変動が大きいとも報告されています。

猫に必要な1日の食事を全てネズミで賄うと10匹程度になります。猫の祖先のリビアヤマネコは1日に1匹ずつの食事を10回程度していて、この習性が受け継がれているのでしょう。

食事中の猫

猫の自由採食に関するもう1つの重要な特徴は、猫は食事の量や栄養バランスを自分で調節できるということです。

猫に食べたいものを自由に食べさせた結果、驚いたことに1日の3大栄養素別の摂取量はどの猫もほぼ同じでした。炭水化物の摂取量には上限があり、猫には炭水化物の必要量がごくわずかなことも分かりました。

避けた方が良い猫の食生活とその改善策

魚を咥えた猫

食生活における猫の特徴を踏まえて、猫に長生きして欲しい場合に避けるべき食生活とその改善策を見ていきましょう。

1. 猫に合わない栄養バランス

猫は人間と同じ栄養バランスでは健康に生活できません。同じ肉食性でも犬は雑食性に近いので、犬と同じ食事も不適切です。魚だけしか与えないというような極端に偏った食事も不適切です。

猫の長生きには、猫に必要な年齢別の栄養バランスが取れた食事が何よりも大切です。また、炭水化物含有量はなるべく少ないフードを選ぶと良いでしょう。手作りフード派の方は、猫の栄養学をしっかりと勉強する必要があります。

2. 過食

肥満気味の猫

猫の自動調整能力は、去勢・避妊手術をした猫ではあまり期待しないほうが良いでしょう。去勢・避妊手術でホルモンのバランスが変化し運動量も減少傾向になるため、本能による調整では過食になってしまうからです。

肥満は免疫力の低下を招いたり関節への負荷が増えたりと、健康にはよくありません。去勢・避妊手術をした猫には、1日に給餌する総カロリーを計算し、飼い主さんがきちんと管理する必要があります。避妊・去勢した猫用のフードもありますので満足度を維持しながら体重管理するようにしましょう。極端にフードを減らすと肝臓を傷めます。減量や体重維持には量を減らすよりカロリーを減らしましょう。

3. 水分不足

水を飲む猫

猫は少量の水で生活可能な腎臓に厳しい身体構造をしています。水分不足だと腎臓への負担が増し、腎臓疾患のリスクが上がります。腎臓は命に関わる大切な臓器なので、十分な水分補給が必要です。

いつでも新鮮な水を飲めるよう、給水皿を複数の場所に置きこまめに取り替えましょう。ミネラル成分の多い硬水は腎臓の負荷が高いので、普通の水道水か軟水を与えましょう。

4. 食事の与え方

猫に与える食事の回数は少量を複数回に分けるのが理想的です。1日の食事回数が少ないと、尿中のミネラル含有量の問題だけでなく、攻撃的で協調性の低い性格になるという報告もあります。

1日中誰かが家にいて給餌できる訳ではないでしょう。その場合、1日分のドライフードを自由採食させ、家族のいる決まった時間にウェットフードを与えて総カロリーで調整してみましょう。

まとめ

食後の歯磨き

愛猫が長生きすることを望まない飼い主さんはいません。しかし猫の習性や体の構造などに関する誤った知識で接すると、良かれと思った行為が逆に愛猫の健康を損ねる場合があります。食生活は愛猫の健康と直結した問題です。正しい知識を得、猫の健康を守る工夫をしましょう。

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