猫との暮らしはいいことばかりではない
猫との暮らしは、必ずしも良いことばかりではありません。中にはとても厄介だったり大変だったりすることもたくさんあります。
例えば、次のようなことです。
- 犬と比べるとしつけが難しい
- 壁紙や家具が傷だらけになる
- トイレ以外の場所に排泄される時がある
- 休日もお構いなしに早朝から起こされる
- 歯磨き、爪切り、投薬など必要なことも嫌がられて大変
- お金が掛かる
こんなに大変な思いをしてまで、なぜ人は猫と一緒に暮らしたいと思うのでしょうか。
猫と暮らすメリット
世界中で猫と人の関係が研究されていて、人が猫と一緒に暮らすメリットについて、複数の報告がなされています。それらの報告内容とペットの専門家がよく言う猫と暮らすメリットを、併せてご紹介します。
1.猫と暮らすことで低減される健康リスク
- 猫が喉を鳴らすゴロゴロという音の周波数はストレスを和らげる効果がある
- 猫と暮らしている人はそうでない人よりも心臓病の発症率が低い
- 猫を可愛がるとトリグリセリドのレベルが低くなりコレステロールが減少する
- 猫を可愛がるとコルチゾールの分泌が抑制され血圧が安定する
- 幼い頃から猫や犬と一緒に暮らしている子供は喘息やアレルギーになりにくい
2.猫と暮らすことで人の精神面に与える良い影響
- 猫を可愛がるとオキシトシンが増えて寛容な気持ちになる
- 猫と接する機会が多い自閉症の子供は、そうでない子供より笑ったり喋ったりする頻度が高く人の顔を見られる子が多い
- うつ病の人は飼い猫からの愛情を感じてうつと闘う活力を得ている
- 猫がもたらす無償の愛は一緒に暮らしている人の心の拠り所になる
- 猫と一緒にいると恋人と一緒にいる時と同じ幸福感を感じられる
- 幼い頃から猫と一緒に育った子供は、他人の気持ちを配慮する力に長けている
人と猫との関係
もちろん、人が初めて猫と暮らそうと考えるときの理由は、ご紹介したようなことではないでしょう。
内閣府が行った動物愛護に関する世論調査の結果を見てみると、ペットを飼育している理由(複数回答)として上位4項目に挙がったのは下記でした。
- 家族が動物好きだから:60.5%
- 気持ちが和らぐ(まぎれる)から:47.9%
- 自分が動物好きだから:38.3%
- 子供の情操教育のため:21.6%
実際に猫や犬と暮らしている人は、ストレスが減る、メンタル面に良い影響がある、子供の精神面に良い影響があると感じているようです。
まとめ
今日のねこちゃんより:ツキ・ダイヤモンド♀ / 1歳 / シャム / 4kg
最初から「心臓病の発症リスクを下げよう」と考えて猫と暮らす人は少ないでしょう。しかし、なんらかのきっかけで猫と暮らしたことのある人は、その暮らしにその人なりの価値を見出し、また猫と一緒に暮らしたいと考えるようになることが多いようです。
先の内閣府の調査では、ペットを飼育していない人のペットを飼わない理由で最も多かったのが、「十分に世話ができないから(46.5%)」で、その次が「死ぬとかわいそうだから(35.0%)」でした。
実際に、ただ可愛いからという理由で一緒に暮らし始めたものの、手に負えなくて途中で手放してしまったという人も少なくないでしょう。どんな理由にしろ、猫と暮らし始める前に、その猫の最期を看取る覚悟があるかどうかを自問した上でスタートしていただきたいと思います。
そして、たとえどんな理由からにしろ一緒に暮らし始めたなら、猫が与えてくれる喜びや恩恵を思う存分味わいながら、共に幸せに暮らしてください。