猫のヒゲってどんな役割があるの?
猫のヒゲには、空気の流れを読む・ものの幅を測る・温度を確かめるなどの役割があります。センサーとして猫の生活には欠かせないパーツです。
さて、ヒゲというと頬のヒゲが真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか。実はその他にも、目の上や顎の下、前足の後ろにも生えています。これら全てがセンサーとして機能しています。
ヒゲは「触毛」という別名を持ち、根元には神経や血管が通っています。ヒゲで感知したものを脳がしっかりと認識してくれるのです。
ヒゲが切れてしまうとどうなる?
ヒゲは周期的に生え変わります。時々抜けたヒゲを発見することがあるでしょう。このように、自然と抜け落ちることは問題ない現象です。
一方で、故意に抜いたり切ってしまうのは危険です。ヒゲの役割からも分かるように、ヒゲが切られてしまうことで生活に支障を来たしてしまいます。
ここからは、ヒゲが切れてしまうと生じるトラブルを3つご紹介いたします。
1.衝突による怪我が増える
猫の目は、動体視力や暗がりで見る能力が高いことが特徴です。ところが、通常の視力は0.1程度で近視の状態になります。
ヒゲが持つセンサーの役割は、弱い視力をカバーするはたらきをしています。ヒゲが切れてしまうことで、自ずと物にぶつかりやすくなります。そして、怪我が増える可能性が高くなります。
2.バランス感覚が狂う
術後や怪我などでエリザベスカラーをすると、歩行が不安定になります。これは視野が狭くなるからだと思われがちですが、実はヒゲが遮られてしまうことが大きく影響していています。
ヒゲによって空気の流れを読み、物体との距離感を掴む猫にとってヒゲの存在がいかに大きいかが分かるでしょう。カラー自体は一時的で、尚且つ徐々に慣れてくるものです。
しかし、本当にヒゲがなくなってしまったら苦労することになります。バランス感覚が乱れ、高い場所に飛乗ることも、キャットウォークを歩くこともできなくなってしまいます。
3.狭い場所に侵入できなくなる
猫が狭い場所に躊躇なく侵入できるのも、ヒゲのおかげです。ヒゲを使って幅を計測することができるので、安全に確実に入ることができます。
そもそも猫が狭い場所を覗きたがるのは、狩りをするためです。ネズミやモグラなどの小動物は小さな穴にいることが多いので、それを連想させる場所は覗かずにはいられません。
ヒゲを失うということは、猫としての本能が満たされないことにも影響を及ぼします。これは、大きなストレスになります。
犬のヒゲと猫のヒゲは何が違うの?
犬はトリミングの過程でヒゲをカットすることがあります。しかし、猫のひげは切ることがありません。猫のヒゲとは何が違うのでしょうか。
犬のヒゲも何かに触れたり、風でひげが揺れたりすることで感覚をつかみます。
しかし、犬は猫以上に嗅覚に頼りますのでひげを切ってしまったとしても嗅覚でカバーが可能です。
また、犬の顔立ちと猫の顔立ちを比較すると、犬のほうが鼻が前に出ています。鼻が長い犬ほど嗅覚が優れていることも特徴的です。
犬も猫もヒゲは感覚をとらえる役割を果たしていますが、ウエイトは異なります。
まとめ
猫はヒゲをとても大切にしています。ホコリひとつ付けたくない理由が、役割を理解することでよく伝わってきますよね。私たちも猫と暮らす中で、ヒゲを傷つけないように気をつけなければなりません。
最後に余談ですが、ヒゲの動きを見ると猫の感情を理解することができます。例えばヒゲを後ろに倒すのは恐れ、10時10分の向きになっているときはご機嫌の証などです。愛猫とのコミュニケーションに役立ちます。