メスに見られる行動
メス猫の「発情周期」
避妊手術をしていないメス猫には
- 発情前期
- 発情期
- 発情後期
- 発情休止期
の4つの期間があり、この順番で繰り返します。このサイクルは「発情周期」と呼ばれます。
発情による独特な行動が見られるのは、このうちの「発情前期」と「発情期」です。発情期を終えた後の発情後期にはオスを受け入れなくなり、次の発情前期まで発情休止期があります。
発情前期
発情前期とは本格的な発情期に入る前の段階で、約1~5日ほどあります。
- 普段より活発になる
- 食欲がなくなる
- オシッコの回数が増える
- しつこく甘えてくる
などの行動が見られます。
発情期
本格的な発情期で、オスを受け入れる準備が整った状態です。発情期は約4~10日ほど期間があります。
発情前期の行動に加えて
- 非常に大きな声で鳴き続ける
- おしりを高く上げる格好をする
- 背中を床にこすり付けるようにくねくねする
- 尿スプレーをする
などの行動が見られます。発情期にはトイレ以外の場所でオシッコをしてしまうこともあります。
オスに見られる行動
オス猫にはメス猫のような発情周期はなく、メス猫の発情に反応して発情が起こります。
オス猫が発情の状態になると
- 落ち着きがなくなる
- 非常に大きな声で鳴き続ける
- 脱走したがる
- 尿スプレーをする
- 攻撃的になる
などの行動が見られます。外から発情期を迎えたメス猫の匂いや声を感じると、オス猫はそわそわし始めたりメス猫を呼ぶように大きな声で鳴いたり、メス猫を求めて外に出たがったりすることがあります。
発情期の行動への対策
1.避妊・去勢手術
発情期に見られる行動を対処したい場合は、避妊去勢手術が最も根本的な解決方法となります。
飼い主さんが交配を希望しない猫ちゃんにとっては、欲求が叶わない発情期の興奮は大きなストレスとなります。
手術にはリスクもありますが、生殖器にまつわる病気のリスクを大きく軽減できることもメリットの1つです。
発情期に見られる行動の中で最も近隣住民とのトラブルになりやすいのが「大きな鳴き声」の問題です。
窓を閉めても完全に聞こえなくなるわけではないので、昼夜関係なく大きな声で鳴き続ける問題を解決するためにも避妊去勢手術が最も効果的です。
2.脱走防止対策
発情期には脱走防止対策を入念に行いましょう。発情期を迎えた猫は興奮状態が続き、攻撃性が強まってピリピリモードになりやすいです。
本気の猫の力は結構強いので、網戸の破壊に注意しましょう。網戸をペット対応の強固なものに張り替えたり、柵を設置して猫ちゃんが開けられないようにしたりするなどの対策を行うと安心です。
お洗濯などで外に出入りする際には、猫ちゃんがすり抜けて脱走しないよう十分に注意しましょう。
3.尿スプレーの対策
オス猫は発情状態でなくても、マーキングの目的で尿スプレーをすることがあります。発情期のメス猫にもオス猫のような尿スプレーが見られることがあります。通常のオシッコの出し方とは違い、尿スプレーは壁や家具などにオシッコを霧のように吹き付けるように行います。
家具や壁、柱などに防水シートを貼るとオシッコから守ることができます。猫のオシッコは臭いがキツイので、こまめな掃除や脱臭機などの活用でニオイ対策も行うと良いでしょう。
まとめ
筆者も以前メス猫の発情の行動を目の当りにした経験がありますが、まず驚いたのがその鳴き声の大きさでした。「ギャー!」「アー!」という叫ぶような声は、通常の猫の鳴き声とは全く異なるものでした。
そして発情中の猫は気が立っているので、攻撃的になるところにも注意が必要です。やはり最も根本的な解決法は不妊手術を行うことでしょう。
手術にはリスクもありますが、猫のストレスをなくしてあげたり、子宮蓄膿症や乳腺腫瘍といった生殖器にまつわる病気のリスクを軽減してあげられるという大きなメリットがあります。
発情期には大きな声で鳴いたり脱走したがったりするため、近隣住民とのトラブルを防ぐためにも発情期を迎えた猫ちゃんへの対策は入念に行ってあげましょう。