絶対にNGな猫の『抱き方』5つ

絶対にNGな猫の『抱き方』5つ

皆様は、いつも愛猫をどのように抱いているでしょうか?適切な抱き方を知らないと、愛猫の体に負荷をかけてしまうことがあります。今回は、NGな抱き方と、上手な抱き方についてご紹介いたします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の体に負担がかかるNGな抱き方

鼻を舐める猫

猫は元々抱っこがあまり好きではありません。拘束されることを嫌うというのが主な理由ですが、抱き方に要因がある場合もあります。

何気なくしている抱き方が、意外と猫の体に負荷をかけてしまっていることがあるのです。ここでは、好ましくない抱き方の例を5つご紹介いたします。

1.上半身のみを持ち上げる

立ち上がる猫

上半身のみを持ち上げて、下半身を宙に浮かせる抱き方はよくありません。不安定になり怖がり暴れてしまうかもしれませんし、腰にも負荷がかかります。

お手入れの過程で上半身を持ち上げる際は、必ず下半身を地面に着けるようにしてください。

2.過激な高い高いをする

高い高いをする子ども

いわゆる"高い高い"は、親子の定番の遊びです。嬉しかった思い出として記憶に残っている方も多いでしょう。

この"高い高い"ですが、猫にするのは好ましくありません。確かに猫は高い場所を好みますが、予期せぬ形で高々と持ち上げられると驚いてしまいます。

抵抗した結果、落下して怪我をする可能性も考えられます。たとえ、下半身もしっかり抱き上げた状態であっても控えたほうが良いでしょう。

3.片手で抱く

抱かれる猫

体の小さな子猫は、片手でも抱き上げることができます。しかし、不安定な状態で抱いてしまうと落ち着かず、不安を感じてしまいます。

後で詳しく紹介しますが、子猫のうちから安定感のある適切な抱き方をすることで、抱っこ慣れすることができます。しっかりと両手で抱くことが大切です。

4.強く抱き締める

子どもに抱かれる猫

猫を抱く際は、抱き締める強さも大切なポイントです。逃げられたくないからと強く抱き締めてしまうと、腹部を圧迫してしまいます。内臓にも負荷がかかるので注意が必要です。

特にお子様が猫を抱っこする場合は、必ず保護者の方が見守りましょう。悪気はなくても強く抱いて圧迫してしまうことがあります。「優しくね」と声をかけながら、上手に抱っこできていれば褒めてあげてください。

5.首をつかむ

撫でられる猫

母猫は幼い子猫を連れて移動する際に、首を噛んで抱き上げます。この動作を真似して猫の首をつかむ人がいますが、とても危険な行為です。噛むよりは安全なのではないかと思うかもしれません。ところがそれは、全くの誤解です。

母猫は噛んでも安全なポイントをしっかりと把握したうえで持ち上げていますし、子猫は体重が軽いです。大人の猫の体重は、くわえて移動できる子猫の体重の10倍ほどあります。また、子猫も身を縮めて負担がかからないようにしています。見様見真似で首をつかむことは絶対にやめましょう。

猫の適切な抱き方

包むように抱かれる猫

適切な抱き方は、人間の赤ちゃんを抱くようなイメージに近いものです。ソフトに包み込むように抱きます。具体的には以下のようになります。

  • 片方の手をそっと脇の下に入れる
  • 次にもう片方の手を腰に添えて抱き上げる
  • 包み込むように抱き、脇の下の手はそのままキープする

猫の場合はタイミングも重要です。脇の下に手を入れた時点で抵抗する場合は、やむを得ない事情を除き、無理強いしないことが大切です。

まとめ

くつろぐ猫

猫は嫌な出来事を強く記憶に残す傾向にあります。抱っこにまつわる不快な体験をすると、より一層抱っこ嫌いになってしまうでしょう。

優れた身体能力を持っていても、体は人間よりも脆いことを忘れないでください。ここで紹介したNG行動を避け、適切な抱き方をマスターしてください。

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