原因その1:慢性的な脱水
ドライ系のフードとおやつしか食べていない猫の多くは、一種の脱水状態といえるでしょう。
猫に必要な1日の水分量は、体重4kgでは160㏄以上と言われます。しかしドライフードの水分量は重さの約10%しかありません。仮に1日にカップ1杯(約100g)食べたとしても10g(=10cc)。残りの150㏄を飲み物でまかなわなければならないのです。
飲水量には個人差がありますので、もともとあまり飲まない猫の場合は水分不足に陥りやすいでしょう。便秘がちだったり、子猫の頃1日数回だったトイレ回数が1日1回以下、さらに尿量が減ってきているようなら、猫の身体の中でミネラル分が結石化しやすい状態にあるということです。
原因その2:トイレに行かないで我慢する
尿が体内に溜まったままであることが、尿の結晶化を促す場合があります。しかし様々な理由から、尿意があるのにトイレに行くのを我慢する猫がいるのです。
高齢猫の場合
- だるい/きつい
- 寒い/暑い
- 関節などが痛む
- トイレの段差が高すぎる
高齢になると、猫も今までできていたことができなくなります。部屋を暖かくしたり、トイレの場所や形の工夫が必要です。
全年齢の場合
安心して尿を足せる環境がない場合も、猫はギリギリまで我慢します。
- トイレがきたない
- 邪魔をする他の猫(や動物)がいる
- トイレの場所が嫌い
- 猫砂の感触が嫌い
これらは粗相問題にもつながりますので、住環境やトイレ、トイレ置き場の再検討が必要です。
原因その3:その他
体質など、直接的な原因が思い当たらないのに尿石ができることもあるようです。
- ストレス
- 肥満
- 運動不足
なども一因だといわれています。
まとめ
砂漠出身の猫が水が少なくても平気でいられるために獲得したのが尿濃縮機能です。しかし室内で飼われるようになり、猫の生活が一変しました。数々のストレスに運動不足、肥満、水分量の多い食べ物を常食しなくなったことなど。これらが全部相まって、猫の排泄機能に影響を与えているのです。
私たち飼い主にできるのはとにかく食事や運動に気をつけること。そしてトイレチェックを怠らないことです。猫砂のキラキラは尿路結石のサインです。トイレチェックの習慣をつけ、見つけたらすぐに病院へ連れて行ってくださいね。