先天的な尾曲がりは基本的に問題なし
日本には尾曲がり猫もたくさんいて、長崎県などに至っては8割もの猫のしっぽが曲がっているそうです。これは江戸時代に日本と交易をしていたオランダの船に尾曲がりの猫が乗っていて(オランダ船は東南アジアを経由していたのでその地方の猫だと言われる)その遺伝子が現在の長崎の猫達にも受け継がれているということのようです。
このように日本には尾が曲がった猫も多いですが、今のところ生まれつき尾曲がり猫だからといって、特に遺伝的な健康被害などは報告されていないようです。よって猫が先天的な尾曲がりであることについては、基本的に問題ないと言えるでしょう。
後天的な尾曲がりには注意
先天的な尾曲がりと違い注意したいのが、後天的な問題でしっぽの形状が変わってしまうことです。猫のしっぽが元々の生まれ付きでなく曲がってしまう理由としては、ドアに挟む、誤って踏んでしまうなどの事故が挙げられます。
猫はしっぽを踏まれたり、挟んだりするととても痛いだけでなく、場合によってはそれがきっかけで神経が損傷したり、骨折などの問題が表れることもあります。またしっぽに痛みを与えられたことで飼い主に対して不信感を持ってしまうこともあるでしょう。
このような事態を引き起こさないためにも、普段から猫のしっぽを踏まないように気をつけ、ドアを閉める際なども猫のしっぽに危険がないか、十分確認してから閉めるようにしましょう。
マンクス
最初に先天的な尾曲がりは基本的に問題ないとしましたが、一部例外も存在します。マンクスはイギリス原産の猫種として知られておりしっぽがない猫として知られています。
しかし実は全てのマンクスがしっぽを持たないわけではなく、短い尾が付いている猫もいればかぎしっぽのような尾を持つ個体もいるようです。
マンクスは遺伝子の変異によりしっぽの形状が変化するのですが、この遺伝子は脊髄に問題を引き起こし、それが元で体に様々な問題が表われることがあります。これはマンクス症候群という名前で知られており(※マンクスの近縁種であるキムリックという猫種にも見られる)後ろ足の麻痺、椎間板異常、排便、排尿の障害などを引き起こすことがあります。
マンクス症候群は、全くしっぽがないタイプに非常に多く発症するとされていますが、短いしっぽのマンクスにも起こる可能性があるようなので、この猫を飼うことを検討している場合は知っておいた方がいいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?基本的に尾曲がりであってもそれが深刻な健康被害をもたらすということは多くないようです。
しかしながら猫種によっては、マンクス症候群などしっぽの形成に関連する遺伝子がよくない働きをするということもあるようなので、雑種でなくしっぽの形が変わっている特定の猫種の飼育を検討する場合、やはり知っておいた方がいいかもしれません。