肥満?病気?猫のお腹がたるんでいる理由2つ

肥満?病気?猫のお腹がたるんでいる理由2つ

歩いてくる猫のお腹がゆらゆらしているのを見た事がありませんか?「あらま、肥っちゃって!」と感じるかもしれませんが肥満ではないかもしれません。それでは見てみましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

たるみの正体は「プライモーディアルポーチ」

後ろを振り返るチーター

たるみの正体はプライモーディアルポーチと言われます。原始的な袋という意味のほとんどの猫に見られる皮膚の伸びた部分です。正式名称以外の「ルーズスキン」という呼ばれ方で馴染んでいることもあるでしょうか?

お腹から後ろ足の際まで伸びている皮であり脂肪ではありません。しかしこの皮の部分に皮下脂肪がたまってくるともともと余裕がある部分なのでさらに目立って見えます。猫だけではなく野生のネコ科動物であるチーター、ライオン、ヤマネコ、トラなどにも見られます。

お腹がたるむ理由は2つ

何かをじっと見つめるアメリカンショートヘア

はっきりとした理由は実証されてはいませんが

  1. お腹を守る
  2. 可動域の伸びしろのため

と二つの説があります。

猫の急所であるお腹を柔らかな皮で守り、お腹にまで影響させないようにしているという理由と、いざという時の柔軟性や瞬発力など運動能力を発揮するために、皮膚が伸びて動きを制限しないようにしているという理由です。子猫のときには無いですが、成長とともにたるみが作られてくるようです。

ルーズスキン以外との見分けは?

横になっているお腹の大きな猫

肥満、出産後のたるみ、ダイエット後の伸びきった皮のようにルーズスキン以外にたるむ原因はいくつかあります。特に心配な肥満に関しては見た目や触った感覚でルーズスキンとの違いを確かめる必要があります。

ルーズスキンの場合は皮膚が垂れ下がっているだけで、皮膚の内側に何か柔らかいものがある感触はありません。しかしルーズスキン内に脂肪があればその量によって触ったときに、ぽちゃぽちゃした感覚やずっしり詰まったような感触があります。さらに上から猫を見たときに明らかにくびれがない場合は、皮が垂れ下がるルーズスキンではなく、脂肪がたくさんついた肥満という状態になっている可能性が高いです。

どの猫種に出やすいの??

座っているエジプシャンマウ

キャットショーではこのたるみが好評価を受ける猫種もあり、侮れない猫の身体の一部分です。エジプシャンマウ、ベンガル、アメリカンショートヘア、ピクシーボブと運動能力の高い野生に近い猫種に目立つルーズスキン所有猫は多いようです。

猫の中で最速時速48kmを誇るエジプシャンマウ、ベンガルヤマネコやエジプシャンマウを祖先に持つベンガル、アカオオヤマネコであるボブキャットが祖先のピクシーボブ、がっちりとしたアメリカンショートヘアという顔ぶれです。

まとめ

伏せてこちらを見つめるピクシーボブ

肥満?病気?猫のお腹がたるんでいる理由2つについてお伝えいたしました。たるんたるんのお腹を触ると幸せになるという飼い主さんは多いようです。猫だけではなく動物園のネコ科動物に見られますから、楽しく探してみてはいかがでしょうか?

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