1.お腹が減った
要求の甘え
ごはんの時間が近付くと、愛猫が積極的に飼い主さんに甘えてくることが多くあります。これは「ごはんをちょうだい」というアピールによる甘えであると考えられます。普段から愛猫が頭突きをしてきたりスリスリしてきたりした時に、飼い主さんは愛猫に注目して甘えに応えることが多いことと思います。
猫はちゃんと「どうしたら飼い主さんが注目してくれるのか」を知っているので、飼い主さんに要求を伝えるために積極的に接触してくるのだと考えられます。ごはんが大好きな子は特に「ねぇ、そろそろごはんの時間では?」という声が聞こえてきそうなほど、飼い主さんの顔を覗いてきたり近くをウロウロしてスリスリしてきたりしますよね。
「子猫気分」のスイッチが入ることも
また子猫時代の記憶から「母猫に甘えるとごはん(ミルク)がもらえる」と知っているため、母猫のような存在である飼い主さんに甘えて空腹をアピールするということも考えられます。
飼われている猫は成猫になってからも子猫気分を残していることが多く、その時の気分によって「成猫気分」と「子猫気分」のスイッチがコロッと入れ替わることがあります。お腹が減ると「ミルクを要求する子猫気分」のスイッチが入り、飼い主さんに甘えてアピールしてくるという理由も考えられます。
2.かまってほしい
猫が自分から寄ってくるのは「かまってほしいタイミング」
飼い主さんの近くをウロウロしながら鳴いたり見つめてきたりする時は、愛猫が飼い主さんにかまってほしいタイミングであることも多くあります。猫は基本的に単独で行動する動物ですが全くの単独というわけではなく、同じ地域で暮らす他の猫とゆるいコミュニティーを形成する社会性のある動物です。
しかし犬のように強い結びつきのある群れを成すわけではないので、猫たちはその時の気分によって相手と一緒にいたりいなかったりするようなゆるい関わり方をします。そんな猫が飼い主さんに積極的にかかわりを持とうとしてくる時は、飼い主さんと触れ合いたい気分になったタイミングであると考えられます。
やや乱暴なアピールをすることも
愛猫が飼い主さんにガバッと飛び乗ってきたり、手足を噛んでくるのも甘えの行動であることが多いです。一見すると攻撃的な態度に思えますが、飼い主さんにちょっかいを出すことで「一緒に遊ぼう!」「ねぇこっち見て!」とアピールしていることが考えられます。
ちょっかいを出すと飼い主さんがリアクションを取ることも多く、猫たちは「こうすると絶対自分に注目してもらえる」とわかって行っていることも多くあります。
3.安心したい
単なる甘えではないことも!
猫が甘える時の行動には
- スリスリと身体をこすり付ける
- 頭突きをする
- ゴロゴロ喉を鳴らす
- 高い声で鳴く
- しっぽを高く上げる
などがあります。
この中の「スリスリする」や「頭突き」は猫の体臭によるマーキング行動でもあります。猫は自分の身体をこすり付けることで自分の匂いをその場所に残し、縄張りを主張します。
しかし猫は場所だけでなく、親しい相手にも同じようにスリスリして自分の匂いを付けようとします。これは相手から自分の匂いがすることで安心できるため、そしてまるで縄張りのマーキングと同じように「この人は私のもの!」と主張するためでもあります。
猫は自分の匂いに満ちている空間に安心する
飼い主さんが帰宅した時にスリスリしたり頭突きをしたりして甘えてくるのは、飼い主さんにやっと会えたという嬉しさだけでなく「自分の匂いを上書きして安心したい」という理由もあります。
猫は自分の匂いに満ちている空間に安心感を抱くため、知らない匂いがするものを目の前にするとせっせとマーキングしようとします。
猫は警戒心が強く臆病な動物なので、自分の匂いがすると「すでに知っている場所」「会ったことのある人」と安心できるのです。飼い主さんは外出中に知らない匂いをまとってきますので、自分の匂いで上書きして安心しようとしていることも考えられます。
しかしたとえ知らない匂いの人がきても、信頼のおける好きな相手でなければ身体を密着させてはきません。単なる甘えではなくマーキングをかねているとしても、結局飼い主さんが大好きであることに変わりはありません。
まとめ
今日のねこちゃんより:フラン♀ / 雑種(ミックス) / 2.5kg
今回は「猫が飼い主さんに甘えてくる時の気持ち」を解説いたしました。
猫が積極的に甘えてくるのは「大好きだから」なのですが、
- お腹が減っているアピール
- かまってほしい
- 自分の匂いをつけて安心したい
などのように、その時によって少しずつニュアンスが違ってくるでしょう。
猫が甘える時の行動には、マーキング時と同じ行動や攻撃的にも思える行動もあり分かりづらいこともあるかもしれません。しかし猫は「好きな人にしか積極的に触れ合おうとしない」ため、愛猫が自分から寄ってきて接触してくるということは「飼い主さんが好き」という気持ちによるものです。
また猫は突然「子猫気分」に切り替わってしまうことも多いので、飼い主さんに甘えてくる時は母猫に甘える子猫の気分になっているタイミングであるとも考えられます。