1.いつもと違う眠り方
普段とは違う場所で眠る
体調不良時の猫は警戒心が高まるため、普段とは違う場所で眠ろうとすることがあります。
- 普段いる場所で眠らなくなる
- 高い場所で眠りたがる
- 狭い場所で眠りたがる
など、飼い主さんや他のペットちゃんの手が届かないような場所で眠ろうとすることがあります。また、発熱している時や体力を温存しようとしている時などはより涼しい場所に行きたがります。よく見られるのが「お風呂」や「玄関のたたき」などです。
いつもと違う体勢で眠る
体調不良の時には、敵に襲われた際にすぐに逃げたり防御する力が低下しやすくなります。猫は野生の本能から、体調不良の時にはいつもよりも眠りが浅くなる傾向があります。そして、危険を感じた時にすぐに逃げられるように、足を地面につけてうずくまるような態勢で身体を休めることが多いです。また、急所であるお腹を守るために丸くなって眠ることも多いです。
いびきや呼吸の異変
いびきをかいて眠っていたり、眠っている時の呼吸が普段よりも速いなど、眠っている時の様子がいつもと違う場合にも注意が必要です。少しでも異変を感じたら、できるだけ早い受診をするようにしましょう。そのためには、愛猫の「普段の眠り方」を把握しておくことが重要です。
2.歩き方がおかしい
骨折やケガの疑い
ケンケンするように跳ねて歩いていたり足を引きずっているなどの場合には、骨折やケガの疑いがあります。特に子猫は遊ぶ時の力加減をまだ知らないこともあり、遊んでいる時に打撲や捻挫などをしやすいため注意が必要です。
- 外から見える傷
- 腫れや熱感
- 刺さっているものがないか
などをチェックし、早めに受診するようにしましょう。
歩く時にふらついている
愛猫の歩行にふらつきが見られる場合、
- 骨折やケガ
- 脳や神経の異常
- 腫瘍
- 血栓閉塞症
- 平衡感覚の異常
- 尿毒症
- 貧血
- ビタミンの欠乏や過剰
- 中毒症
など、考えられる原因がたくさんあります。
早急に受診し、獣医師に
- いつからふらつきがあったか
- まっすぐ歩けるか
- そのほかの異常の有無
などを伝えるようにしましょう。
かかとを着けて歩く
猫の糖尿病の特徴的な異変に「かかとを着けて歩くようになる」という症状があります。猫の後ろ足を見てみると、ウサギのように長い足をしています。しかし猫が歩く姿を見ると、地面に着いているのは肉球のある部分のみです。実は、猫は通常「つま先立ち」のように歩いているのです。しかし、糖尿病の悪化によって神経症状が起こることが原因で、普段は着くことがない後ろ足のかかとまで着けて歩いてしまうという特徴的な症状が現れることがあります。
3.鳴き叫ぶ
甲状腺機能亢進症の疑い
甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)とは、甲状腺という組織から分泌される「甲状腺ホルモン」の量が過剰になってしまう疾患です。人間の場合は「バセドウ病」とも呼ばれています。甲状腺は喉の部分、気管の左右にあるホルモン分泌腺で、健康な猫の甲状腺はヒマワリの種ほどのサイズです。甲状腺ホルモンは身体の代謝を促進する働きがあり、過剰に分泌されることによって食欲旺盛、落ち着きがない、攻撃的などの症状が起こります。甲状腺機能亢進症は10歳以上の猫に多く見られる疾患です。
激痛を感じている恐れ
静かにくつろいでいた愛猫が突然「ギャー!」っと叫ぶように鳴く場合は、何らかの原因によって激痛を感じている恐れがあります。特に気を付けたいのが、時間との戦いになる「大動脈血栓症」です。
主に心筋症が原因であることが多いのですが、
- 腫瘍
- 全身性炎症性疾患
- 甲状腺機能亢進症
- 原因がわからないもの
などさまざまな原因が考えられます。このような原因によって血栓が形成され大動脈に詰まってしまい、激しい痛みを感じることが症状の1つです。血栓は詰まってから2時間以内に取り除くことで助かる可能性が高まりますが、時間が経ちすぎると命にかかわる怖い病気です。愛猫が叫び声をあげ、特に後肢に触ろうとすると怒るようであればすぐに受診するようにしましょう。
まとめ
今回は「体調不良時の猫の行動」について解説いたしました。
愛猫の様子が「いつもと違う」と感じたら、それは愛猫の中で異変が起こっている証拠です。猫は私たちのように「病院へ行って診てもらおう」とは考えられないので、なんとか自力で体力を回復させようとしてしまいます。そのため、愛猫の行動が「いつもと違う」と感じたらすぐに受診するようにしましょう。
愛猫の異変に早く気付いてあげるには、愛猫の「普段」の
- 眠る様子
- 歩き方
- 鳴き方
などを把握しておくことが重要です。