猫の表情は犬に比べて少ないのか
猫は無表情といわれることが多く、犬は表情がとても豊かであることが特徴です。犬は楽しいときも、悲しいときも、人間に感情がよく伝わってきます。猫は表情が少ないですが、「何を考えているのか分からなくてミステリアス」「自由な雰囲気が猫らしい」「照れているのを隠しているようでかわいい」など、表情が少ないことが魅力でもあります。
なぜ犬と猫では表情の違いが出るのかというと、表情筋が関係しています。人間は30を超える表情筋があるとされています。犬は人間並みに表情筋があるのに対し、猫は犬よりも少ないのです。そのため、犬と比べると無表情に感じてしまうのです。
表情筋が少なくても、猫にだってちゃんと表情があるんです。耳の動き、ヒゲの動き、目の瞳孔の大きさなどで表情が作れます。その表情には、きちんと感情も込められているのです。さらに、尻尾の動きや鳴き声が加わると、よりはっきりと感情が表現されるようになります。
猫の表情とそこに表れる感情
満足
耳やヒゲに力は入っていない、自然な状態です。瞳孔は大きくも小さくもなく、目を細めています。この表情だけを見てしまうと、「何を考えているのか分からない」と見られてしまうのかもしれませんが、実際は満足やリラックスしていることを表現しています。猫を撫でたり、ブラッシングしたりすると、このような表情になっていませんか?
興味があるとき
耳やヒゲがピンとなります。瞳孔が大きくなり、目もぱっちりしています。音や動きなど、興味の対象の情報をキャッチしようと真剣になっています。
迷っているとき
猫にも迷うときがあるんです。そんな時は、瞳孔は変化しないのですが、耳がぴくぴくと動いています。迷いによって耳が動くのは子猫に多いようです。
威圧
耳は立つか、後ろに引いています。ヒゲは前に出て、瞳孔は細くなります。
恐怖
耳を後ろに伏せて、瞳孔が広がります。体も小さくしてしまうので、分かりやすいです。
威嚇、おびえ
瞳孔が大きくなり、牙をむきだして「シャー」と声を出します。今にも襲いかかってきそうですが、心の中ではおびえているのです。
猫のさまざまな表情
悲しみ
猫は耳、ヒゲ、瞳孔を使って感情を表現していますが、「悲しい」ことを表情に表すことがほとんどありません。目の形や、毛の模様で悲しそうな顔をしている猫はいますが、表情や感情とは別です。「嫌だ」というときは、耳を横に尖らせることで表現しています。
あくびにだって表情があるんです
猫のあくびを、目に注目して観察してみると分かります。目を閉じてあくびをしていたら「眠い」などの通常のあくびですが、目が開いたままあくびをしていたら、「ストレスや緊張を感じている」という表現なのです。例えば、寝ているところを起こされたとき、叱られて緊張しているときに、目を開けたままあくびをすることがあります。
こんな顔も!
猫が口をポカーンと開けていたら、驚きや呆れているということではありません。それは「フレーメン反応」というもので、フェロモンやニオイを分析しているときの顔です。一生懸命にクンクンと一か所のニオイを嗅いでいたら、この顔を見られることがあります。
表情を使い分けることも
猫の中には、人間に対して表情を使い分けることができる子もいるそうです。いたずらをして叱られているとき、相手によって不満そうな顔をしたり、かわいい表情にしたりします。その時の猫の気分や、人間の受け取り方も関係していそうですが、家族によって表情を変えるのか観察してみてはどうでしょうか。
まとめ
猫は表情が少ないですが、耳やヒゲ、瞳孔などを使って表現してくれています。長年一緒に生活をしていると、自然と表情から感情が気持ちが分かるようになります。耳やヒゲなど細かく観察してみると、さらに気持ちが通じ合えるようになるかもしれませんね。