1. フードを温める
猫は「人肌程度」のあったかいごはんが好き
猫は人肌程度の温かい食事を好むと言われています。
その理由には
- 温かい方が匂いが強く感じる
- 獲物の小動物は本来温かいから
などが考えられます。
猫は食事の見た目や味よりも「匂い」によって食欲をかき立てられます。同じごはんであっても少し温めることで香りが立ちやすくなり、猫ちゃんの食いつきが良くなることがあります。
猫ちゃんの食欲がないとき、まずはいつものフードを少し温めて様子を見てみましょう。
フードの温め方
ドライフードの場合はお湯をかけて10分程度ふやかしてみましょう。あまりグズグズに柔らかいと嫌がる猫ちゃんもいますので、お湯の量で調節してみましょう。
ウェットフードの場合はレンジで数十秒温めるか、パックに移して湯煎して温めると良いでしょう。熱くなり過ぎないよう、与える前に人肌程度の温かさであることを確かめましょう。
2. トッピングをしてみる
ささみ+ゆで汁
猫ちゃんのごはんに具材をトッピングする際、カロリー過多に気を付ける必要があります。鶏肉の中で、鶏ささみはカロリーが低く高たんぱくな部位ですのでトッピングにオススメです。
鶏ささみを好む猫ちゃんも多いので、ごはんに追加してあげると食欲がかき立てられることが期待できます。鶏ささみは充分に加熱した後、人肌程度に冷ましてからトッピングしましょう。一緒にゆで汁も大さじ1ほどかけてあげると水分補給にもなります。
ウェットフードや一般食
いつものドライフードにウェットフードをトッピングしてあげる方法もあります。ウェットフードにも、それだけで栄養補給できる「完全栄養食」とおかずという立ち位置の「一般食」があります。
猫ちゃんの栄養が偏らないように、トッピングするウェットフードのカロリーや栄養価を計算して与えるようにしましょう。
他の子のフードを少しだけ混ぜる
多頭飼いをしていると、好みの違いによってそれぞれの猫ちゃんが違うフードを食べていることもあるかと思います。この時、他の猫ちゃんが食べているフードの方を食べたがることも。その場合は少しだけフードを混ぜてあげると食べてくれることもあります。
3. フードを変更してみる
匂いが強いフードにしてみる
同じフードを食べ続けていると、ある日食べなくなってしまうことがあります。病気による食欲不振ではない場合、フードに飽きてしまったことが考えられます。違う味のフードや、より匂いの強いフードに変更してみるとすんなり食べるようになることも多くあります。
好みのタンパク質を知る
「チキンが好き」「サーモンが好き」など、猫ちゃんによってはフードのタンパク質の種類に好みがあることも。「白身魚のフードは食いつきが悪い」というように、猫ちゃんのタンパク質の好みを把握してあげると、フードを選ぶ基準ができます。
急にフードを変えない
猫は目新しい物に抵抗感を抱く「ネオフォビア」という性質が強い動物です。そのため、いきなり違うフードを出すと食べるのを躊躇してしまうこともあります。そのため、フードを変更するときには1週間ほど時間をかけて変更してあげましょう。
1日目は全体の1割ほどの少量を混ぜるようにし、4日で半量程度、7日で全量を新しいフードに切り替えるといったイメージで徐々に切り替えていきます。
フードを切り替え始めたら、うんちの状態の異変や嘔吐などがないか観察しましょう。新しいフードが身体に合わなくてアレルギー症状が出たり、新しいフードの形状や匂いが気に入らない場合もありますので、新しいフードは少量のものをおためし購入すると安心です。
4. 食器を見直してみる
食器に原因がある可能性も
食べたくない原因が、フードではなく食器にある可能性もあります。猫の唾液はアルカリ性でバイオフィルムが構成されやすいため、しっかり洗剤で洗っても食器がヌメヌメすることも多いです。
そうして残ったヌメリやニオイが嫌で食欲がなくなってしまうこともあります。また、お皿にヒゲが当たったり、フードが食べづらい形状であったり、食器の素材によっても食が進まなくなってしまうこともあります。
猫が好みやすい食器
猫が好みやすいのは
- ヒゲが当たらない大きさ
- 浅く平たい形
- 陶器製
の特徴の食器です。
食器によってフードが快適に食べられるようになると食欲が戻ることもありますので、現在の食器を見直してみるのも1つの方法です。
5. 生活を見直してみる
生活習慣から食欲をかき立てる
病気や痛みなどの明らかな原因がなく、下痢や嘔吐などの不調もない場合には生活習慣を見直してみるのも1つの方法です。
- 運動不足の解消
- ストレスの軽減
- 置き餌やおやつを止めてみる
などを試してみると食欲が戻ることもあります。
運動不足の解消によってお腹が空きやすくなることもあります。また、引っ越しや来客などのストレスを受けた後は、数日間食欲がなくなってしまうこともありますので、できるだけ猫ちゃんが安心して過ごせるように環境を整えてあげることも大切です。
そして、置き餌で好きな時にごはんを食べている場合は、一度置き餌を止めてごはんの時間を区切ってみるのも良いでしょう。おやつを止めてみると、お腹が減ってごはんをしっかり食べてくれるようになることもあります。
こんな場合は受診しましょう!
野生の本能を強く残した猫が「丸1日何も食べようとしない」というのは、身体からのSOSである恐れがあります。
- 丸1日何も食べようとしない
- 3日間の食事量が通常の半量以下
- 他に異変が見られる
このような状態の場合は病気が原因で食欲がなくなっている可能性が高いので、早めに受診するようにしましょう。
まとめ
今日のねこちゃんより:むー♂ / 8歳 / 雑種 / 8kg
愛猫のモリモリ食べている姿が好きな飼い主さんも多いのではないでしょうか。愛猫の食欲がなくなると心配になってしまいますよね。
病気や痛みなどの明らかな原因がわからない場合は、いつものごはんにひと工夫したり生活を見直してみると食欲が戻ることがあります。
- いつものフードを温める
- いつものフードにトッピングする
- フードを変えてみる
- 食器を見直してみる
- 生活を見直してみる
などを試すと、猫ちゃんの食欲が戻る可能性があります。
丸1日何も口にしない、3日間の食事量がいつもの半量以下、他に異変が見られるなどの場合は受診するようにしましょう。