死期が近づいた猫の身体に現れる変化3つ

死期が近づいた猫の身体に現れる変化3つ

猫の体調不良や老化は見た目にもよく表れます。「こうなったら死期が近い」などと断言することはできませんが、愛猫の見た目から体内で起こっていることのサインを読み解いてあげることは大変重要なことです。今回は【旅立ちが近い猫に表れやすい見た目の変化】を3つ解説いたします。

SupervisorImage

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1. 毛並みが悪くなる

丸くなる猫

まだ若い猫と老猫を比べると、毛並みの良し悪しに違いが見られます。健康で若い猫の毛並みはツヤツヤしているのに対し、年を重ねた老猫の毛並みはパサつきや毛割れが目立ちやすくなります。

老化による毛並みの悪化

人間においても、老化現象によって髪の毛にハリがなくなったり白髪が増えたりします。猫の場合も同じように、老化によって毛にハリがなくなったりツヤがなくなったりすることが多いです。そして、被毛が束やブロックに分かれて割れる「毛割れ」も見られやすくなります。

毛づくろいをしなくなる

老化や体調不良によって、猫が毛づくろいをしなくなることがあります。猫も年を重ねると寝ている時間が多くなり、体力気力ともに減衰してきます。そのため、若い頃に比べて自分で自分をキレイにするセルフグルーミングをしなくなることが多くあります。

また、たとえ若い猫ちゃんであっても、体調不良によって毛づくろいを行わなくなることもあります。身体が辛くてセルフグルーミングができなくなることや、口内炎や歯周病の痛みによって毛づくろいをしたくなくなってしまうということも考えられます。

このように毛並みには猫の体調がとてもよく表れますので、毛並みをよく観察してあげることは猫ちゃんの状態を把握するためにとても重要です。

2. 痩せてくる

餌を食べているグレー猫

旅立ちが近い猫ちゃんは痩せてくることが多く、それにはいくつか考えられる理由があります。

食欲の低下

食べること、消化すること、排泄することといった一連の流れは体内でエネルギーを必要とします。健康で若い猫ちゃんにとってはごく当たり前の生命維持活動なのですが、体調不良であったり老化が進んでいる猫ちゃんにとっては負担が大きい作業なのです。

以前かかりつけの獣医師に「食べる力は生きる力」ということを聞いたのですが、まさにそうなのだと思います。逆に考えると、食べなくなることには必ず理由があるということです。

脱水症状

食欲の低下とともに、お水を飲まなくなる子も多くいます。猫の病気で多い腎臓病を患うと、多飲多尿の症状が表れます。たとえたくさんお水を飲んでいてもおしっこも増えるので、結局脱水症状を起こしやすくなります。脱水によって余計に痩せて見えてしまうということも考えられます。

3. 顔つきが変わる

黄色い目の黒猫

猫ちゃんの旅立ちを見送った飼い主さんの経験談の中で「顔つきの変化があった」というお話が数多くあります。特に目立ったのが「目が吊り上がったように見える」という変化です。しかしその一方で「優しい顔になる」という経験談もありました。

どうしてそのような表情の変化が見られるのか、旅立ちが近いことに関係があるのかなどは医学的に判明していません。しかし、表情の変化という些細なことにも愛猫からのメッセージがあるのかもしれません。

まとめ

目をつむる猫となでる指

今回ご紹介した変化が見られたからといって、必ずしも猫ちゃんの体調が悪化するというわけではありません。大切なのは、猫ちゃんの身体に表れる些細な変化を把握してあげることです。

老化現象による変化は自然なことで、猫ちゃんの年齢に合わせた穏やかなケアをするサインとなります。そして、毛並みの悪化、急に痩せたように感じる、顔つきが変わったように感じるといった変化は猫の体調不良のサインである可能性もあります。

このような愛猫の変化に気付いてあげることで、その時に適した対処法を考えることができます。みなさんもぜひ、毎日の触れ合いの中で愛猫の変化をチェックしてあげてください。

スポンサーリンク