猫がパニック状態に陥るとどうなるの?
猫がパニックに陥ることは珍しいことではありません。パニックというワードから、「パニック障害」を連想される方もいらっしゃるでしょう。猫の身に起きるパニック症状は、人間のパニック障害とは異なります。猫がパニック状態に陥ると、次のような行動が見られます。
- 狂ったように猛ダッシュをして暴れる
- 攻撃的になる
- 粗相をしてしまうなど
飼い主さんからすると「急にどうしたの?」と心配になるでしょう。大抵の場合、何かきっかけになる出来事が存在します。まずは、愛猫がパニックになっているということを受け止めてあげてください。
猫がパニックになる理由
冒頭でも紹介したように、猫がパニックになること自体は稀なことではなく、むしろパニックになりやすい傾向があります。ここではその理由を5つご紹介いたします。
1. 脳内の扁桃体が強く反応している
扁桃体とは、脳の中で「不安や恐怖」を司る部位になります。扁桃体が正常に機能することによって、危機を回避したり最小限に留めたりすることが可能になります。猫は単独で逞しく生きなければならないことから、扁桃体がよく働きます。
これ自体は悪いことではないものの、敏感に反応しすぎてしまうことでパニックを起こしやすくなります。扁桃体が過敏になると、脳内のセロトニンという物質が不足してしまいます。これが必要以上に恐怖心を煽る要素のひとつになります。
2. 猫は驚きやすい
猫は些細な物音に敏感です。これも扁桃体の影響なのでしょうか?それだけではありません。猫は優れた聴覚を持っています。狩りをするには必要不可欠な能力です。
ところが、人間との共同生活では優れた聴覚がマイナスに作用してしまうことがあります。突然大きな音を発する電化製品、大きな笑い声など、猫が驚いてしまうことが多いのです。
3. 突然のアクシデント
猫は好奇心旺盛で、気になったことは確かめなければ気が済みません。しかし、その衝動的な行動が、ちょっとした悲劇に繋がることがよくあります。
勢いよく突っ込んだビニール袋が身体に絡んでしまう、紐がスっと背中に触れて驚いてしまうなどが挙げられます。特に紐は、天敵であるヘビの襲撃を受けたと誤解してパニックになることがあります。猫は不測の事態がとても苦手な動物です。
4. 人生(猫生)経験が浅い
子猫や若い成猫は、まだまだ経験値が不足しています。人が服を着替えるために大きく手を広げただけでも驚いてしまうことすらあります。生活音に対する警戒心もそうですが、危険ではないと理解することで、少しずつ慣れていきます。
5. 脳の病気が関与していることも
はっきりとした原因は不明なものの、なんの前触れもなく攻撃的になってしまう「激怒症候群」という攻撃行動があります。これは脳神経系の異常が示唆されており、てんかん発作でも生じる可能性があるといわれています。
愛猫が攻撃的になるきっかけが不明な際は、一度動物病院に相談してみてください。てんかんは薬の服用で、ある程度発作をコントロールすることが可能です。
パニック状態に陥ったときの対処法
猫がパニック状態に陥っているときは、できるだけ距離をとりましょう。次第に落ち着きを取り戻すまで、静かに見守るようにします。てんかん発作も同様です。安易に接近すると怪我をする恐れがあります。これが更なるパニックに繋がる場合もあります。
ただし、袋や紐が絡むなどのアクシデントが原因の場合は手助けが必要です。可能であれば軍手を着用のうえ、バスタオルなどを被せます。覆われている間に素早く原因を除去します。大抵の場合はタオルを被せることで落ち着きます。
まとめ
今日のねこちゃんより:ちぃたろう♂ / 3歳 / 雑種(ミックス) / 5kg
猫がパニックになると、こちらまで焦ってしまいます。まずは飼い主さんが落ち着いて、原因を探りましょう。すぐに改善できるものは改善し、愛猫が落ち着くまで待ってあげてください。