なぜかハマる!!お尻トントンの謎
猫の「お尻トントン」は数年前、とある動物番組で紹介されてからよく知られるようになりました。お尻や腰の当たりをトントンと叩かれることを好む猫がいるのです。
好き嫌いが分かれやすいスキンシップですが、好む猫は何度も催促するほど喜びます。トントン好きの猫たちには、どのような特徴があるのでしょうか?ここではその特徴を3つご紹介いたします。
1. 交尾に似た刺激を得られる
お尻トントンはメス猫が圧倒的に好む傾向にあります。その理由の一つが交尾による刺激です。腰やおしり周辺は生殖器と近い場所にあり、トントンと軽く叩かれることで交尾に似た刺激を得ることができます。
メス猫の中でも発情期を経験したことのある猫は、特にこのスキンシップを好むことが多いようです。発情期を経験することなく避妊手術を受けたメス猫は、そうではない猫と比較すると反応がイマイチです。
2. フェロモンを分泌する場所だから
猫にはフェロモン(自分のにおい)を放出する分泌腺がいくつか存在します。撫でられると喜ぶ部位は、大抵この分泌腺付近になります。
腰の辺りにも分泌腺があり、摩ってもらう、トントンと軽く叩いてもらうなどの刺激が加わることを好みます。この行動によって自然とマーキングをすることも兼ねています。
マーキングというと汚いイメージがあるかもしれませんが、それは尿を吹きかけるスプレー行動というマーキングです。お気に入りの場所に顔やお尻を擦り付ける行為もマーキングといいます。大好きな飼い主さんに自分のフェロモンをつけて離さないようにしたいのです。
3. 神経が集中しているから
人間と同様に、猫も腰の周辺には神経が集中しています。お尻トントンは、交尾に似た刺激の他にも神経に程よい刺激が加わることで気分が良くなるという効果もあるのかもしれません。
しかし、刺激の加え方には注意が必要です。何しろ神経なので、本当はとてもデリケートな部位でもあります。軽く摩る、優しくトントンと叩く程度に留めておきましょう。
中にはポンポンと音がするくらいがちょうど良いと感じる猫もいます。うっとりとした表情をしているのであれば、それほど問題はありません。ただし、常に力加減には気を配るようにしましょう。
お尻トントンはやめるタイミングが重要
程よい刺激を求めて何度もおねだりをされることがあるかもしれません。ソフトな刺激であれば、それ自体は問題ないのですが、大切なのはやめるタイミングです。
愛猫が喜ぶからと刺激を強くしすぎたり、明らかにやめてほしい反応をしているのに続行してしまうと興奮状態に陥ります。
やめるタイミングとしては、唸る・イカ耳になってこちらを見てくる・触れることを拒むなどの反応が見られたときです。
ひとたび興奮してしまうと攻撃的になってしまうことがあります。たとえ飼い主さんであっても怪我をする可能性が高くなるので、程よいところで中断するようにしてください。
まとめ
お尻を叩くトントンはとてもデリケートな行為です。大好きな猫もいれば、逆に大嫌いな猫もいます。また、日によって好まない場合もあります。
まずは腰の辺りを撫でることからスタートし、猫の気分を確かめることが大切です。あまり乗り気ではないときは撫でるだけに留めて、他に喜ばれる部位に触れてリラックスさせてあげてください。