甘味を感じない?!猫の舌についての3つの事実

甘味を感じない?!猫の舌についての3つの事実

猫ちゃんのペロッと出した小さな舌はとても可愛らしいですが、この器官は猫にとってとても大切な役割を果たしているのと同時に、私達の知らない様々な秘密が隠されている部分でもあるのです。今回はそんな猫の舌にまつわるあれこれをまとめてみました。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1. ザラザラは野性の名残

舌を出している猫

猫の舌で舐められるとザラッとしますが、猫の舌がザラザラするのにもきちんとした理由があります。猫の舌の表面には突起がたくさんあり、この突起は口の奥(喉)の方向に反って付いています。

そのため舐められるとその突起が対象にひっかかって触れることになるのでザラッとした感触がすると感じるのです。

ちなみにこの舌の突起は野性の時代に獲物の骨から残さず肉を舐め取るために必要な物で、その名残だと言われています。

2. 猫の水飲みは超早業

水を飲む猫

少し前まで猫はそのザラザラの舌を使って、上手に水を飲んでいると考えられていました。私達人間は水分のある物を摂取する時、スプーンやれんげなどですくい上げて飲むことがありますが、猫も水を飲む際、その突起をそのように使うのではと考えられていたのです。

しかし2010年の研究で、実は猫が水を飲む際、舌の先の方だけしか浸けていないということが判明したそうです。

その方法とは

では、ザラザラした突起のある舌全体を駆使して水を飲んでいないなら、どうやっているかというと、猫が水を飲む時には表面張力によって、舌の先の水がはね上がり水柱ができるそうで、猫はこの水柱が最大になった時に素早く口を閉じて水を飲んでいるのだそうです。

ちなみに、この時のスピードは秒速76、2センチメートルで、猫は1秒間に3~4回この水を飲む動作を繰り返し行えるそうです。このように、猫はその舌先を使い驚くような早業で水分を補給しているのです。

3. 猫の舌は甘味、塩味をほぼ感じない

フードボウルと舌舐めずりする猫

味覚を感じる体の器官は味蕾(みらい)と呼ばれ、これは人間では1万個ぐらいあり、このたくさんの味蕾のおかげで苦い、甘い、酸っぱい、塩辛いなど様々な味を感じることができるとされています。

では猫はというと味蕾の数は人間の5分の1程度しかなく、その数は人間に比べて500個とか1000個ほどしかないと言われています。味については酸味と苦みには敏感ですが、塩味や甘味を感じる感覚は著しく低いとされます。

これは野性で暮らしていた頃の猫の暮らしに起因しているもので、酸味や苦みは腐った獲物の肉や毒物を見極めるために必要なので感じる力が強いとされていますが、塩味や甘みについてはほとんど感じないと言われています。

その理由

塩味や甘味は、野性下の食事である獲物の肉には含まれていなかったり、もしくは微量に含まれていてもそこまで強く感じる必要性がないため、これらの味覚が発達していないと言われています。

最近では猫の食生活も変化し、中には甘味や塩味により敏感になった猫もいるようですが、本来の食事からすると猫は塩味や甘味を強く感じるようには器官は発達してはいません。

味覚よりも嗅覚

以上のように猫は味を感じる能力もないわけではありませんが、味覚はそれほど鋭くなく、どちらかというと鋭い嗅覚を使って食べ物が美味しいかどうかを判断しているようです。

また、舌触りなど食べ物の感触も気にするようです。このため、猫が美味しく食事をするためには味覚以上に、食べさせている物のにおいや食感を大事にしてあげた方が良いかもしれません。

まとめ

れもん

いかがでしたか?猫ちゃんの舌がザラザラしているのにもきちんとした理由があり、その他にも舌を使って水柱をはね上げそれを飲み込むなど、知らないところですごい技を使っていることなども分かりましたね。

また、味覚についても私達人間とはかなり違うということが判明しました。近い将来に今回のような内容だけではなく、猫ちゃんの不思議な舌の秘密について新たな事実が発表されるかもしれませんね。

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