猫が飼い主のそばでご飯を食べなくなったときに考えられる理由5つ

猫が飼い主のそばでご飯を食べなくなったときに考えられる理由5つ

いつも飼い主さんの前で美味しそうに食事をしていた愛猫が、そばで食べてくれなくなったとき、残念な気持ちと同時に心配になりますよね。今回は猫が人前で食事をしなくなってしまう原因をご紹介いたします。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

猫が人前で食事ができなくなってしまう理由

フードの入った食器の前に座る猫

猫は本来、単独で生活する動物です。だから、元々誰かと一緒に食事をする習慣はありません。人間である飼い主さんの前で食事をしたり、飼い主さんの食事時と一緒に食べたりしたがるのは家猫特有の行動なのです。

ところが、突如人前で食事をすることをやめてしまうことがあります。愛猫にどのような心境の変化が起きたのでしょうか?ここでは、気にかけてほしい5つの理由をご紹介いたします。

1. 突然の物音に驚いてしまった

猫のそばでくしゃみをする女性

我々の日常は音で溢れています。いわゆる生活音は慣れてしまうので、ほとんど意識することがないかもしれません。一方、猫は聴覚がとても優れており、音に対する反応が人間とは明らかに違います。中でも特に突然の物音に驚く傾向があります。

猫にとって食事中は無防備な状態です。たとえ悪気がなくても、食事中に偶然発せられた音に驚いた結果、人前で食事ができなくなってしまうことがあるかもしれません。猫が食事をしている際は、あまり大きな音の出る家事は控えたほうがよいでしょう。

そして、そばで見守っているときにくしゃみや咳をしても驚いてしまいます。こればかりは仕方ないのですが、出てしまった場合は「ごめんね、大丈夫だよ」と優しく声をかけてあげてください。

2. 体に触れてほしくなかった

男性の持つフードに顔を近づける猫

冒頭でも紹介したように、本来猫の食事はひとりでひっそりと食べるものです。それでこそ、安心して食事に集中することができます。家猫の場合も、安心して集中するためにはそっと見守るスタイルが無難です。慣れた飼い主さんでも、食事中に撫でたり、あちこち触れたりしてしまうと嫌がられてしまう可能性があります。

食事時に嫌な経験をすると、食事に対する警戒心が増し、人前で食べないだけにとどまらず、食欲自体が低下してしまう可能性も考えられるので要注意です。

3. 体のお手入れをされた

飼い主に爪切りをされている猫

体に触れる、撫でられると同様に、体のお手入れを食事中にされることも食事への警戒心が増すきっかけになるでしょう。おやつや愛猫の好きな音で気を引きながらお手入れをすることは手段のひとつですが、食事は別物です。

食事が不快なものになりきちんと食べてくれなくなってしまうと、必要な栄養分が摂取できなくなってしまいます。食事中は食事に集中させてあげましょう。

4. フードが変わった

差し出されたスプーンから顔を背ける猫

猫は味にこだわりを持ちやすい動物で、急に親しんだ味が変わってしまうことを嫌がります。飼い主さんの前であまり食べなくなったタイミングと、フードの変更が重なっている場合は新しいフードをまだ受け入れられていない可能性があります。

元のフードに少しずつ新しいものを加えたり、ローテーションをしたりするなど工夫してみてください。ただし、病気の治療のための療法食へ急に切り替えなければならなくなった際は、元のフードとのブレンドをしてはいけない場合もあります。どんなフードや食材ならブレンドして良いか、処方した獣医師に相談しましょう。

5. 体調が悪い

前足で顔を隠して眠る猫

これまで紹介してきた内容に心当たりがなく、食欲以外でも違和感を覚えるような場合は、体調不良のサインかもしれません。猫は食べず、動かずじっと静かな場所で耐える傾向にあります。これは、厳しい野生の世界では弱みを見せられないからです。

急に飼い主さんの前で食事をしなくなり、好きなものに対する興味がなくなるなどの異変がある際は体や行動、トイレの様子にも異常がないか注意深く観察をし、動物病院を受診しましょう。明らかにぐったりしている様子があれば、早急に動物病院を受診してください。

まとめ

器の前に座って上を見つめる猫

猫はとても繊細です。些細なきっかけで、人前での食事を警戒してしまうことがあります。食事中は静かに見守ることが大切です。

そして、食事以外の面で心配なことがあれば、普段以上に注意深く様子を見てあげてください。

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